ナースの本音、あるある、病院裏話を(うっかり)暴露しちゃうぜ

看護師国家試験の不適切問題について

3月27日の、第106回・看護師国家試験(2017年度)合格発表と同時に公開された「不適切問題」について、SNSやブログなど各所から不満の声が飛び交っています。

  • 例年よりも不適切問題多いな…
  • 不適切問題多すぎ!
  • ボーダー下がりすぎ(笑)
  • ヾ(。`Д´。)ノ
  • 必修の不適切問題2問とかwww

そこで、今回は「不適切問題」についての説明と、実際に不適切として処理された問題文をご紹介いたします。

不適切問題って何?

不適切問題とは「状況設定が不十分で正解が得られない問題」のことです。

試験の緊迫した状況の中で一生懸命に悩んで回答しても、厚生労働省の発表のように「採 点 対 象 か ら 除 外 す る」という言葉で片付けられてしまうのです。
(国家試験なんだから、しっかりしてほしいですよね…。)

また、模範解答の他にも正解の条件に当てはまる選択肢がある場合、それを選んだ者は正解(加点)として扱われることもありますが、どの選択肢も正解に当てはまらない場合には問題自体が間違えているということになります。

それでは、今回の試験で不適切問題となった問題文を見ていきましょう。

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不適切問題(採点除外等)の一覧

第106回・看護師国家試験の採点除外等の扱いとなった不適切問題をまとめてご紹介いたします。
今年は、なんと『8個』もの不適切問題がありました!

午前:第10問

ヒューマンエラーによる医療事故を防止するための対策で最も適切なのはどれか。
1.性格検査の実施
2.事故発生時の罰則の規定
3.注意力強化のための訓練の実施
4.操作を誤りにくい医療機器の導入

◆採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め、不正解の受験者については採点対象から除外する。
◆理由
問題として適切であるが、必修問題としては妥当でないため。

午前:第15問

せん妄の誘発因子はどれか。
1.身体拘束
2.心血管障害
3.低栄養状態
4.電解質バランス異常

◆採点上の取扱い
正解した受験者については採点対象に含め、不正解の受験者については採点対象から除外する。
◆理由
問題として適切であるが、必修問題としては妥当でないため。

午後:第31問

施行日が最も新しい法律はどれか。
1.高齢社会対策基本法
2.高齢者の医療の確保に関する法律
3.高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
4.地域における医療及び介護の総合的な確保を促進するための関係法律の整備等に関する法律

◆採点上の取扱い
採点対象から除外する。
◆理由
設問に不適切があるため。
選択肢に誤りがあり正解が得られないため。

午後:第33問

患者の情報の取扱いについて正しいのはどれか。
1.看護師の守秘義務は医療法で規定されている。
2.統計的に処理された情報から患者個人を特定できる。
3.利用目的が明確であっても患者の情報の活用は制限される。
4.転院先の病院と患者の情報を共有する場合は患者の同意が必要である。

◆採点上の取扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
◆理由
複数の正解があるため。

午後:第54問

災害後の成人にみられる防衛機制はどれか。
1.不安で眠れなくなる。
2.激しい怒りを表現する。
3.言動が子どものように幼くなる。
4.自分だけが無事で申し訳ないと思う。

◆採点上の取扱い
採点対象から除外する。
◆理由
設問が不適切で正解が得られないため。

午後:第72問

放射線療法に関わる看護師の健康管理に必要なのはどれか。
1.線量計を装着する。
2.ヨウ素剤を服用する。
3.ゴーグルを着用する。
4.N95マスクを着用する。
5.鉛を含んだエプロンを着用する。

◆採点上の取扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
◆理由
設問が不適切で複数の選択肢が正解と考えられるため。

午後:第93問

次の文を読み91~93の問いに答えよ。
Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson(パーキンソン)病で、現在Hoehn-Yahr(ホーエン・ヤール)の重症度分類でステージII。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。
93
有料老人ホームの看護師はAさんに病気の進行を予防するために運動を勧めたが、Aさんは「この病気は進行性だからいつか動けなくなる。今、転ぶと骨折して動けなくなるかもしれない。だから運動するのは嫌だ」と言う。AさんはParkinson(パーキンソン)病に関する情報を入手しており、病状の理解ができている。薬物は自己管理できている。かかりつけ医に自分から病状の説明を求めることもある。
Aさんの転倒の不安を軽減するために看護師とAさんが一緒に実施することで、最も適切なのはどれか。

1.車椅子で外出する。
2.転倒予防教室への参加を検討する。
3.廃用症候群に関する情報を収集する。
4.運動の効果と転倒のリスクとを比較する。

◆採点上の取扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
◆理由
複数の正解があるため。

午後:第108問

次の文を読み106~108の問いに答えよ。
Aさん(28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に一度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用(有害事象)を気にするようになったという話があった。
108
さらに3か月後、家事の手伝いができるようになり、家庭内で落ち着いた日常生活を送れるようになった。Aさんは「自分のことは自分でできるようになって、将来はまた働きたい」と話すようになり、社会復帰に向けて社会資源の利用を検討することになった。
この時点でAさんに紹介する社会資源で適切なのはどれか。

1.就労以降支援
2.地域活動支援センター
3.居宅介護(ホームヘルプ)
4.短期入所(ショートステイ)
5.共同生活支援(グループホーム)

◆採点上の取扱い
複数の選択肢を正解として採点する。
◆理由
複数の正解があるため。

合格のボーダーラインが下がった!?

国家資格の筆記試験で、合格・不合格を決めるのは「何点中、何点を取れば合格」というボーダーラインがあります。
ボーダーラインは常に同じというわけではなく、試験の難易度や状況に応じて(厚生労働省の都合によって…)毎年ごとに変動します。

そこで、今回の看護師国家試験と、過去の看護師国家試験の合格ボーダーラインを比較した表を作ってみましたのでご覧ください。

ボーダーライン(必修) ボーダーライン(一般)
106 40点以上/50点 142点以上/248点(57.3%)
105 40点以上/49点 151点以上/247点(61.1%)
104 40点以上/50点 159点以上/248点(64.1%)
103 40点以上/50点 167点以上/270点(66.8%)
102 40点以上/50点 160点以上/250点(64%)
101 40点以上/50点 157点以上/247点(63.5%)
100 40点以上/50点 163点以上/250点(65.2%)
99 40点以上/50点 151点以上/250点(60%)
98 24点以上/30点 174点以上/270点(64%)
97 24点以上/30点 180点以上/270点(67%)
96 24点以上/30点 194点以上/269点(72%)
95 23点以上/29点 176点以上/269点(65%)
94 24点以上/30点 165点以上/269点(61%)
93 24点以上/30点 162点以上/270点(60%)

…いかがでしょう?

一般問題のボーダーラインが「142点以上/248点(57.3%)」!!!

第106回・看護師国家試験のボーダーラインが、例年に比べてグンッと下がっていることがお分かり頂けましたでしょうか。
前回の記事では「88.5%の合格率なので例年とさほど変わらない」とお伝えしましたが、実は合格のボーダーラインがこんなに下がっていたのです!合格者数の調整でしょうね。
これを見ると、本当に「今回の試験は難しかったんだなぁ~」と思わされます…。

来年の看護師国家試験に参考となるデータかどうかは分かりませんが、今年は残念だった人も、ぜひ来年がんがって合格して頂きたいと思います!
当サイトは、今後も看護師のために役立つ情報をお届けしていきます。それでは、次回のコラムをお楽しみに☆

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