第107回看護師国家試験は絶対合格しよう!第106回を振り返る

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第106回看護師国家試験を受験した人たちの声を聞くと

  • 難しすぎた、複合的な問題が多くてビックリした
  • 過去問題やっても意味なかったかも
  • 厚生労働省は看護師を増やしたくないのかと思った

大体の人が「難易度が高かった」と答えています。国家試験は毎年「今年は難しかった」と言われるものですが・・・

実際に第106回看護師国家試験を回答してみました、第107回看護師国家試験は絶対合格したい、合格しよう!国家試験に向けての勉強方法をまとめました。

過去問題は大事、第104回以降の国家試験問題を何度も解くこと

看護師国家試験の出題傾向は3年に1度を目安に見直されていると言われています。

第104回看護師国家試験からは、1問1答型の暗記問題から、複合的に知識を問い、看護師としてのアセスメント力をチェックする問題に変化しました。

「過去問題をやっても意味がなかった」という声もありますが、絶対にそんなことはありません!第104回以降の国家試験問題を何度も解いておきましょう。

ここで肝心なことは、問題を覚えるのではなく、何を問われているかを把握することです。第106回の問題を振り返り、解説していきましょう。

1つの問題から、覚えるべきことがたくさん見つかる

第106回 問題115~117です。1つの設問から複数の回答を展開する問題です。

Aさん(70 歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120 mmHg、 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。
.問題115救命救急センター到着時に観察する項目で最も優先するのはどれか。
  1. 体温
  2. 心電図波形
  3. 意識レベル
  4. 尿失禁の有無

正解はです。

急変患者を発見した時、遭遇した時に最初にすべきこと、それは「意識があるか」「意識レベル」です。これは、脈が振れているか、息をしているかよりも優先する観察事項です。

患者さんが倒れているところを発見したら、まず呼びかけて意識があるか確認します。その次は、応援要請し人を集めます。

意識がなく、脈拍の触知確認ができない場合は直ちに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始めます。実際に心臓が動いているかどうか、ではなく脈拍が触れるか確認できない、というところがポイントです。

この問題の本質は、患者急変時の初期対応、救命処置BLSの基礎です。状態の悪い患者、急変患者の観察における優先順位を問う問題です。

このように、1つの問題から覚えるべきことがたくさん見つかります。

暗記すべきことは変わらない、ホルモン、内分泌系は必ず暗記を

問題30、ホルモンと分泌部位の組合せで正しいのはどれか。
  1. サイロキシン―副甲状腺
  2. テストステロン―前立腺
  3. バソプレシン―副腎皮質
  4. プロラクチン―下垂体前葉

正解はです。

各種ホルモンと、分泌する部位の組み合わせに関する問題は、毎回出題されています。必ず暗記してきましょう。

これらを覚えておくことは、疾患の理解にもつながっていきます。例えば、甲状腺から出るホルモンであるサイログロブリン。これらの分泌が過剰になる疾患がバセドウ病、低下する病気が甲状腺機能低下症、慢性甲状腺炎(橋本病)です。

バセドウ病は眼球突出、動悸、多汗、体重減少、甲状腺腫脹、高血糖状態、高血圧、手足の振戦が主な症状です。甲状腺機能低下症は、倦怠感、体重増加、便秘などが起こります。

各種ホルモンと、分泌する部位、関連する疾患と症状を関連付けて暗記していきましょう。

間違った設問から学ぶ、これが過去問題の極意

問題32を見てみましょう。

放射線療法について正しいのはどれか。
  1. Gyは吸収線量を表す。
  2. 主に非電離放射線を用いる。
  3. 電子線は生体の深部まで到達する。
  4. 多門照射によって正常組織への線量が増加する。

正解はです。

これは、看護学生が最も嫌な問題のパターンです。臨地実習でも患者さんに直接関係する内容ではありませんので、勉強していないと全く分からない問題です。

放射線が、物質に照射されると、エネルギーを物質に与えます。Gyはグレイと読みます。物質が放射線から受けるエネルギー量を示す値、吸収線量のことです。

この問題をマスターするためには、2~4が間違っている根拠を覚えておけばいいわけです。非電離放射線とは?電子線とは?多門照射とは?それプラス、放射線障害のことについて勉強しておけば完璧です。

正しくない設問から学ぶ、これが過去問題の極意です。

精神保健医療福祉、介護保険法に関する理解を深めよう

精神保健医療福祉介護保険法に関する問題は、必ず出題されています。

問題89を見てみましょう。

精神保健医療福祉に関する法律について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定されている。
  2. 障害者基本法の対象は身体障害と精神障害の2 障害と規定されている。
  3. 発達障害者支技法における発達障害の定義には統合失調症が含まれる。
  4. 精神通院医療の公費負担は精神保健福祉法による自立支援医療で規定されている。
  5. 犯罪被害者等基本法は犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目標としている。

正解は1・5です。2つ選ばせる問題は、正解率がグッと下がるので、嫌ですね。

法律関係で出題されやすいのは、精神保健医療福祉、介護保険法に関する問題です。これらは、看護師として患者と接するうえで必要不可欠な知識であり、時代を色濃く反映するからです。法律の名称に似たものが多く、丸暗記しにくいことが特徴のため、内容をしっかり理解しておくことが大切です。

介護保険に関しては、介護保険で定義されているサービスの種類、介護度判定までの流れ、管轄する国・都道府県・市町村の役割、自己負担額について、など出題しやすい問題となっています。

精神保健医療福祉、介護保険法については、よくまとめて覚えましょう。

過去問題にも出されていない、特殊な問題とは

問題の中には「なぜこの問題を出題したの?」とちょっとびっくりする問題もあります。

問題72を見てみましょう。

Aさん(32 歳、女性)は小児専門の病院に勤務していたが、国際保健医療協カプログラムで中央アフリカ地域の州事務所に母子保健担当の看護師として派遣された。
この地域は長く紛争が続き、母子の健康状態か不良と聞いた。
Aさんが現地で最初に行う業務はどれか。
  1. 経口補水液の配布
  2. 乳幼児の栄養状態の把握
  3. 女性の識字率向上の支援
  4. 病院における母子看護業務の把握

うーん、正解はかと思いますが、よくわからないというのが本音です。2と思われますが、4も間違いではない気がします。

このように臨地実習、学校の講義でも遭遇したことのない問題が時々あります。このような問題が一番難しい様に感じます。ある程度勘に頼るしか無い問題でしょう。

第107回看護師国家試験に向けて、勉強すべきことのまとめ

  • 受け持ち患者さんに関連する疾患、病態をしっかり理解しておく
  • 解剖生理学はとにかく暗記
  • 過去問題の正しくない設問から学ぶ
  • 法律関係、特に介護保険法についてまとめて覚える
  • 過去問題は第104回以降を中心に取り組む

最終学年の実習が終了した段階から、本格的に国家試験勉強を始める人が多いようです。

簡単にまとめただけでも、これだけ勉強すべきことがあります。先手必勝で、1年生の時からコツコツ勉強していきましょう。

国家試験勉強は、スマートフォンを最大限活用しよう

通学、通勤、実習先への移動中に好きなアーティストの音楽を聞いて気分転換するもの良いでしょう。

効率よく国家試験勉強を進めるために、移動時間にスマートフォンを活用しましょう。国家試験対策専用のアプリをダウンロードし過去問題にチャレンジするも良いです。過去問談から、間違った設問の正解を調べてみるのはさらにいいことです。

暗記物は、読むだけでなく、声に出し耳で聞く事で確実に記憶に刷り込まれていきます。

覚えたいことを、自分で読みあげて、スマートフォンのボイスレコーダー機能を使って録音します。それを繰り返し聞くとかなり確実に覚えられます。

電車で移動中「インスリン、ランゲルハンス島のベータ―細胞から」「バリン、ロイシン、イソロイシン・・・」「介護保険の自己負担割合は・・・」といった自分の声を聞くと笑ってしまいそうですが、イヤフォンをしていれば誰にも分りません。

この方法はかなり有効です。ぜひトライしてみて下さい。

厚生労働省は看護師国家試験に不合格者を増やしたいわけではない

第106回看護師国家試験を受験した人からは「落そうとしている」「看護師は増えなくていいのか」という怨嗟の声が聞かれます。第107回を受験する人は、本当に恐ろしく感じているのではないでしょうか。

国民は、看護師を必要としています。大学・専門学校で学び、臨地実習を乗り越えた人に看護師になって欲しいのです。さらに、看護師として、「しっかり考えられる」人を輩出したいのです。

単に解剖生理や法律を暗記しているだけでは、看護師として仕事できません。患者さんに何が必要か、どうすれば良いのかを考え行動する看護師が必要とされています。

看護師国家試験の出題傾向の変遷は、不合格者を出したいわけではなく、しっかり考えられる看護師を輩出するため、と考えましょう。

まとめ

看護師国家試験の問題は、より実践的、応用的な内容に変化しています。その反面、必修問題では間違えようがない様なベーシックな問題も出されています。

当然ですが暗記物は確実に、受け持ち患者さんを通して関連する疾患、病態をつかんでいくことが看護師国家試験合格の秘訣と言えるでしょう。

看護学生の皆さん、頑張ってください。

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