看護師が今さら聞けない「保育園看護師」とは?

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今回の記事では保育園看護師についての知識を紹介したいと思います。

正看護師の資格を持ってる人が沢山いますが、看護師全員が同じ仕事をしているわけではありません。大きな病院で働いている人もいれば、デイサービスなどの職場で看護師活動をしている人もいます。

今回は数ある看護師の働き方の中から「保育園看護師」に注目して職務内容、お給料、メリットやデメリットなどを紹介したいと思います。

保育園看護師とは

保育園看護師とは、名前の通り保育園などで働く看護師を表します。

  • 「病院勤務と違って楽そう」
  • 「土日休めるんだから看護師の中でも楽しんで働ける」
  • 「子供の面倒を見るだけでしょ?」

あなたは保育園看護師に対して様々なイメージを持っていると思います。

楽そうだと思ったり、お給料が低そうだと思ったりと考えは色々あると思いますが、あなたが想像する保育園看護師と実際の保育園看護師に大きなギャップを感じるかもしれません。

今回の記事ではこれから保育園看護師への転職を考えている人に向けて、給与などのお金の話や職務内容、現場の声などを紹介したいと思います。

保育園看護師の必要性

こちらの項目では保育園看護師の必要性についてのお話をしたいと思います。

園児の体調管理は保育士がいれば十分なのでは?

そういった意見を持っている方や、保育園看護師の必要性をしっかりと認識したい人に向けて紹介して頂くので、保育園看護師の仕事にやりがいを感じる為にも目を通してみてください。

配置の義務化はされていない

実は保育園看護師はある条件を満たした保育園に配置する必要があるのです。

認可保育園または保育園に0歳の乳児が6名以上預かっている場合には、配置の努力義務が必要です。0歳児の乳児を9名以上預かっている場合には保育園看護師を必ず配置する必要があります。

准看護師は認められておらず、保育園看護師として認められているのは正看護師のみです。

厳格な義務付けがされているというわけではなく、0歳児が6~9名未満の保育園であれば努力義務という形で配置の促進がされているだけなので、各保育園に必ず保育園看護師が配置されているというわけではありません。

存在意義は園児の健康を守るため

保育士がいるから園児の面倒は見ることが出来るはずなのに、なぜ保育園看護師を配置する必要があるのか。それは、医学に関する専門知識を有していない保育士では病気やケガなどのトラブルに対応できない事があるからです。

特に乳児はちょっとの環境の変化、体制、食べ物の相性によって体調をすぐに崩してしまいます。(乳児の人数が保育園看護師の配置条件の基準として用いられているのは、保育園で預かる子供の年齢の中で最もデリケートで、体調を崩しやすいからです。)

医学知識を持ち合わせていない保育士では、誤った処置をしてしまい結果として死亡させてしまうことがあります。

保育園で発生した死亡例

おもちゃと園児

思わぬものでも事故になることも

保育園看護師がいれば、もしかしたら防げたかもしれない実際にあった悲しい事件をご紹介します。

【ケース1】1歳5カ月男児の溺死

保育施設内でのお風呂が原因、入水による窒息時の適切な医療処置を行えなかったことが原因かと思われます。

【ケース2】0歳男児の突然死

お昼寝中に呼吸が聞こえず、声をかけても反応がないことから乳幼児突然死症候群の疑いアリ。

【ケース3】2歳男児が熱射病で死亡

車内に5時間放置された後、保育士が冷房などで応急処置を試みるも症状が改善しない為、119番に通報。その後重い脱水症状が改善されるに死亡した。

引用: http://yodokikaku.sakura.ne.jp/?p=8838
(【ニュース】保育施設や幼稚園の事故 去年14人死亡より)
引用: http://catsmoon.exblog.jp/7201561/
(保育園児、熱中症死亡事件より)

保育園で発生した園児の死亡事故の一例を紹介しましたが、これら以外にも死亡事故は沢山あります。もちろん保育士に非があることばかりではありませんが、看護師の資格を持つ保育園看護師が居れば迅速な正しい処置によって助けられた可能性のある死亡事故も沢山あります。

ケース3の熱射病に関しては、クーラーで体を冷やしても改善できない事を知っている保育園看護師が居れば迅速にレスキューを呼ぶことに繋がり命を救うことが出来た可能性が非常に高いです。

ただでさえケガをしやすく体調を崩しやすい幼い子供を守る為、悲しい死亡事故から守るためにも保育園看護師は必要なのです。

保育園看護師の仕事は楽?

こちらの項目では保育園看護師の仕事内容を紹介します。あなたが想像していたイメージと違うかもしれませんが、これから保育園看護師を目指すのであれば実際に体験する仕事内容なので目を通しておいてください。

仕事内容

ブランコ

園児で怪我の原因になりやすいブランコ

保育園看護師の仕事内容は非常にシンプル。「園児の健康を守る事」です。

ケガをした時やカゼなどで体調を崩してしまった時。園児の健康を守るためにアクシデントに対応しながらも、適切な処置を行って治療、予防を行うことが仕事です。

保育園看護師が居なくても、保育士さんがいれば怪我の手当や簡単な看護は出来ます。しかし、深い医療知識を有していない保育士さんでは時には間違った治療を行ってしまい、処置ミスによって最悪の場合には上記で紹介したような死亡事故に繋がってしまうことがあります。

保育園看護師は園児を守ることが出来る非常に重要な仕事という認識を持ちましょう。

仕事内容の詳細

こちらの項目では保育園看護師が働きだした際に実際に行うであろう業務内容を紹介しています。

園児・職員の体調管理サポート

免疫力の低い子供は些細な環境変化にも敏感に反応し体調を崩してしまいます。そういった体調不良に対応するために、視診、触診、健康データをもとに園児の体調管理を行います。

保育士および保育園職員が体調を崩すことで、園児にも影響が及ぶ可能性があるため園児と同じように職員にも体調管理指導を行います。

園児のケガや体調悪化時の対処

園児がケガをした時や体調を崩してしまった時に適切な対処をします。状況に応じて投薬、投薬後の経過の観察などを行い回復に向けての処置を継続して行います。その際の保護者への連絡や救急車への手配、連絡も保育園看護師が行います。

感染症の予防、蔓延時の対処

インフルエンザなどの感染症が確認された場合には「保育所における感染症対策ガイドライン」を参考に、保育士と連携し感染症対策および予防に努めます。感染が認められる園児に関しては別室で保育するなど、状況に応じた対処が必要になります。

保育園職員、嘱託医への連絡

園児の健康と安全を守るために必要な知識を嘱託医から学び、保育士および保育園職員に通達することで園内に必要な医療知識を滞りなく伝えます。

健康問題に関する対策

給食や活動時間、お昼寝の時間など保育生活上における健康問題点が見られた場合には改善、解決に向けて対処します。保育園看護師だけで解決できる問題ではない事が多いため、保育園職員と連携を図り改善に向けて活動をする必要があります。

保育園職員への健康教育

保育園看護師だけでは園内全体の健康管理を行うことが出来ない為、保育士や保育園職員へ健康指導を行い園内全体の健康促進を図ります。

保護者への健康指導

保育時間外に体調を崩してしまわぬように、保護者に健康指導を行います。保護者との面談における指導、相談業務が当てはまります。

これらの業務と並行して保育士の業務を担う事が多く、あなたが想像しているイメージよりも保育園看護師は多忙だと思います。

忙しさがピンキリな保育園看護師

上記で紹介しているように、保育園看護師の仕事は山ほどあります。毎日のように保護者への健康通信を書いている保育園もあるので、業務は絶えません。

もちろん、普段から園児の特徴や性格を理解しておかないとケガをした時や体調不良してしまった時の診察が上手くいかないことがあるので一緒に遊んだり話す機会を設けるなどして、業務以外の時間に園児と関わる必要があります。

そのため、保育士の業務と保育園看護師の業務を平行して行うことが多く病院勤務と同じくらいハードな仕事内容になる場合もあります。

勤務地によっては保育士業務をする必要がないと判断している保育園もあるので、職場によって仕事内容が大幅に変わります。保育士業務をする必要がない場合には、健康指導やケガや病気の対処以外にすることはないので緩く働くことが出来ます。

保育園看護師のお給料

想像していたよりもハードな仕事内容だけど、保育園看護師のお給料は良いのでしょうか悪いのでしょうか。

年収の平均は320万ほど

保育園看護師の平均的なお給料はフルタイムで勤務した場合、月平均20万円前後。年収にして320万という人が多いようです。

病院で勤務している看護師の平均年収の470万円と比べると150万円も年収に差が出てしまいます。

どうしてここまで年収に差が出てしまうのでしょうか。それは病院勤務の看護師と保育園看護師の勤務体制の違いが関係しています。保育園看護師には病院勤務のように夜勤がありません。園児が帰る時間が決まっている為、残業時間も少ないです。これらの2つの要素が理由となり、病院勤務の看護師と比べるとお給料が大幅に減ってしまうのです。

もちろん、保育園の規模や運営体制によって待遇は変わりますが、基本的には病院勤務の看護師よりも高い収入は見込めないと考えておきましょう。

お給料は低いけれど土日休み

保育園看護師には、嬉しいポイントが何点かあります。

  • 土日休み…保育園看護師の殆どは土日が休みなので家族と休みを合わせやすくなります。カレンダー通りに休むことが出来るのが魅力の1つです。
  • 夜勤がない…子持ちの看護師の方は夜勤があると、どうしても子供の世話が出来ずに職場を変えてしまうきっかけになる事がありますが、保育園看護師であれば夜勤はないので同じ職場で長く続けることが出来ます。
  • 日勤の為生活リズムが安定する…夜勤、日勤、夜勤、日勤と2交代制で勤務を続ける看護師は生活リズムが崩れがちで体調を崩してしまう人が少なくありません。保育園看護師は日勤のみなので生活リズムを安定させることが出来ます。

保育園看護師として採用される為には

現在も保育園看護師の求人枠は少ないものの、看護師の就業先として非常に人気が高いため、だれしもが必ず保育園看護師になることが出来というわけではありません。こちらの項目では、保育園看護師として採用されやすい条件に付いて紹介したいと思います。

経験が必要

常勤の保育園看護師として採用されやすいのは、子供の看護の経験がある小児科経験者の看護師です。小児科経験がない場合でも、ベビーシッター資格などの認定資格を取得することで子供との接し方などを知ることが出来ます。しかし、子供関係の認定資格を取得した人よりも、保育園側としては小児科の経験がある人を採用したいと考えています。

絶対に保育園看護師になりたいと考えている人は、小児科で3年ほど看護師として活動をした後に転職を考えてみましょう。

非常勤保育園看護師

小児科の経験もないし、子育ての経験や認定資格を保持していない看護師の人は常勤の保育園看護師としての採用確率は低いですが、非常勤の保育園看護師であれば採用される可能性があります。

非常勤の保育園看護師として経験を積み、常勤看護師へと昇級することも出来るので、保育園看護師になるための1つの選択肢として覚えておいてください。

高収入の保育園看護師になりたい!

病院勤務の看護師と比べてお給料が低い傾向のある保育園看護師では、高収入は見込めないのか。

実は、入職する保育園の選び方によっては病院勤務の看護師と同じ位のお給料をもらうことが出来ます。

公立の保育園を狙おう

公立の保育園は地方自治体が運営しているので、そこで働く保育園看護師は公務員扱いとなるのでお給料が良く待遇も優遇される傾向にあります。

私立の保育園では運営状態や運営母体によってお給料に違いがあるので、お給料の上下さが激しいです。

保育園看護師として高収入を希望する方は公立の保育園に入職できるように行動を始めましょう。

まとめ

看護師の人気の働き方である「保育園看護師」について紹介しました。

これから保育園看護師になりたいと考えている人にとってギャップが強い内容になっていたかもしれません。

それでも保育園看護師になってみたいと考えている人は、小児科で勤務するなどして小児看護の経験を積み、採用されやすいようなキャリアを構成しましょう。

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