カテゴリー:看護師関連情報

看護師のみなさんは一度が聞いたことがある、または加盟している(させられている)看護連盟と看護協会の組織たち。一体なんだかハッキリご存知でしょうか?

今日はこの2つの組織の違いについて、役割について、簡単に解説していきたいと思います。

また、最初にいっておきますが、看護連盟と看護協会への加入は「任意です。ですので、なんだかわからないうちに加入している人は、しっかり考えてお金を払うようにしましょう。その考えの少しでもの足しになればと思います。

看護連盟と看護協会とは?

組織名 日本看護協会 日本看護連盟
所在地 東京都渋谷区神宮前5-8-2
設立 1946年 1959年
活動 政策提言活動 政治活動
内容 国の保健医療福祉に関する諸検討会に委員として出席しています。
毎年、看護政策をまとめた要望書を政府に提出しています。
看護協会の提言する看護政策実現のために政策決定の場である国政・地方議会に代表をおくります。
代表議員が看護問題の解決を政策決定の場で進展させるための支援をしています。
組織 公益社団法人 政治組織

これを見ると、看護協会の方が歴史が長く、公益社団法人でもあるので、どちらかというと看護師にメリットがあるのかな?と考えてしまいそうですが、実は2つの組織は表裏一体といえます。

公益社団法人の政治活動は認められていないため、より政治活動や政治的影響に直結した組織が看護連盟と言えます。ビルも同じなので、いずれも看護師の利益や働きやすさや待遇改善のために政治活動を展開しているわけです。今日の看護師の地位があるのもこの2つの組織のおかげ?かもしれません。

なお、こういった組織は看護業界だけでなくどこの業界団体にも似たようなものが存在するわけで珍しいものではありません。

 

看護連盟と看護協会は必要か?

2つの組織は要するに看護師の言いたいことを代弁して国政に働きかけ新しい法整備や業界の改善をはかることですが、そもそもそんなことは必要でしょうか?

この問題は大変難しいのですが、私の場合、2択で問われれば「必要」だと答えます。ただし、今ほど力を持つ必要があるかどうかは疑問ではあります。同様に、医師会や獣医師会、病院会といった組織の影響も政治に影響を与え過ぎではないでしょうか?とも思います。(加計学園問題でも話題になっていますが・・・)

実は看護師も!?加計学園問題で見る「人手不足と政治」の関係実は看護師も!?加計学園問題で見る「人手不足と政治」の関係

看護連盟と看護協会が必要な理由

上記で申したように、医師会のような非常に強い力に対抗するために必要な面があります。基本的に医師会は看護師に医療行為を行う権限を付与する等の改革には反対(自分たちの特権)のようですので、対抗軸があることは間違いありません。

これは看護師のキャリアアップや欧米のような看護師の活動範囲を広げて医師不足、看護師不足の医療現場全体の改善、ボトムアップを遅らせている要因の一つだと思われます。ナースプラクティショナーのような制度が日本で確立されないのは、一部では医師会の圧力という話があるのは有名な話ですね。

また、どうでもいいようでどうでもよくないのが、看護婦を看護師と呼ぶようになったのはこれらの組織のおかげだと言っていいでしょう。欧米ではナースですが、日本では看護婦と言っていたように、女性の仕事という印象が非常に強く、その影響でか今日に至っても看護師は女性率95%という状況です。

女性は出産や育児になると、仕事を休むしかなく、休職や退職を余儀なくされる面があり、どうしても職場の供給量が安定化しません。やはりある程度の男性看護師が市場に登場する必要があるでしょう。男性が看護師になりやすい1つとして、「看護婦→看護師」に変更したことは功績と言えます。

こういった政治的変化を与え業界全体を改善していくことが役割であり、組織の必要性だと思います。

一方で必要性に懐疑的な意見も…

看護師から言わせれば、会費や入会金に対して活動内容が見えにくく不安な声を散見できます。上記のような名称変更も効果がジワジワ・・・という感じですので、今を生きる現場のナースからすれば物足りないのは理解できます。

「それくらいならいらない?」と思う方もいるでしょう。だからこそ加入していない人もおり、組織への評価は是々非々です(多分非が多い;)。それに日本中の看護師からお金を集めて、現場を見もせず議論ばかりしている、といったイメージを持たれていて不信感も募っています

看護連盟と看護協会はいらない!

いっそなくせばいいのでは!?
と考えてみましょう。看護師の加入は任意なので、もし多くの看護師が加入しなかった場合、財源がなく力がなくなり、自然となくなるはずです。

もし全くなくなったらどうなるのでしょうか?

看護師不足は解消しない!

「看護師が足りない」「2025年までに200万人必要」といった提言は看護協会やその関係者が実施する懇談会や審議会でよく耳にしますが、こういった言葉は政府には届かなくなります。よってよりいっそう、看護師不足は深刻になるでしょう。

今よりもっと医師の言いなりに!

医師会の権力は強大です。看護師の頭を押さえつけてきたのは戦前からずっとで、医師の中には今でも看護師は医師の手足だと考える人もいます。医師以外が医師の役割を担うことは医師の給与は地位、存続に関わるので現場の看護師はいっそう医師に逆らえなくなる恐れがあります。

ナースセンターがなくなり給料も下がる!

組織が運営するナースセンターは当然なくなります。民間の転職サイトがあるから大丈夫!と思うかもしれませんが、転職サイトは病院側からかなりのマージンをピンはねするため病院の経営は悪化します。その分、看護師の給料は下がっていくかもしれません。

などなど、さまざま考えられます。以上を考えると、なんとなくですがないよりあったほうが良いかなと思えるようになるのではないでしょうか?

—-補足事項—-

これは権力の本質でもありますが、看護連盟と看護協会などの組織の役割は「○○をさせるため」ではなく「××をさせないため」に必要な側面もとても強いのです。

つまり、看護師たちの要望を通すことだけでなく、相手方の要望でこちらが不利になるものを拒んで跳ねつけることも重要な活躍なのです。ただしこれは、見た目には見えにくいですよね。それが不満に繋がっているのかもしれません。難しいですね。

まとめ

いかがでしょうか?

看護師の問題は、政治的には社会保障と直結している問題なため、看護師の数や安定して就業してもらうことは非常に重要な社会インフラの土台です。しかし現場の看護師からすれば、人手不足や現場への理解などのリアルな声も聞いて貰う必要がありますし、他の圧力団体からも守ってもらったり、さらなる地位向上を図ったりする必要があります。

そんなこんなで、業界団体というものはいろいろと存在しているわけですが、どうでしょう?少しは納得できましたでしょうか?また、考える材料になれば幸いです。なお、それでも断固払いたくない!という看護師さんは、もちろん払わなくても結構でしょう。加入しなくても、本コラムの内容は後輩に説明できるようにしておきたいですね。

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