看護師の過労死はあってはならない!あなたも過労死予備軍かも!?

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過労死レベルに相当する勤務状態にある看護師は全国で何人くらいいるか知っていますか?

当然、私もその中の一人だわ!と叫んだ看護師さんもいるでしょう。日本看護協会が数年前に行った実態調査では、過労死レベルに相当する勤務状態にある看護師は2万人位と試算されています。

実際に過労死と認定された看護師さん達は、いずれも若く、本来ならキラキラ輝く人生が続いていくはずでした。

彼女たちはなぜ過労死してしまったのでしょうか?

人間の命を守り、癒す側の看護師が過労死しそう、過労死してしまう社会が健全な社会と言えるでしょうか?

絶対に間違っていると思います。

この記事では、看護師と過労死の危険について解説していきます、5分程度で読める記事です、ぜひ最後まで目を通してください。

一般的な過労死の定義とは?

過労死、とはどういう状態を指すのでしょうか。働き過ぎて体力が限界に達したことを指すわけでは無いようです。過労死等防止対策推進全国センターの公式HPから、過労死の定義を抜粋しました。

過労死とは、「働き過ぎが原因となって引き起こされる死」です。長時間労働による疲労や精神的負荷が過度に蓄積すると心身 の健康を損ない、ついには死に至るとされています(2000年3月24日電通事件最高裁判決)。 脳内出血や心筋梗塞など身体が破綻するのが過労死、うつ病 の発症など精神が破綻するのが過労自殺(過労自死)であるといえます

過労死の認定基準の労働時間は「週40時間を超える時間外労働が「1か月100時間、又は2か月以上平均 して80時間」を超えて働いている状態」と言われています。(過労死等防止対策推進全国センターより)

このように、長時間の労働拘束によって心身が疲弊して死に至る状態を過労死です。頑張る看護師さんはしばしば「燃え尽き症候群」と呼ばれる状態に陥る危険性があることは良く知られています。

極度にやる気が出ない、原因不明の体の不調、感情が不安定になり悲観的になる、摂食障害が現れる、結果的に仕事を続けられなくなる。といった状態です。これらの症状も、過労や極度のストレスにより心身を病んだ状態です。過労死の予備軍にほかなりません。

もっと詳しく、看護師さんと過労死の関係を掘り下げていきましょう。

過労死の予備軍かも、ストレスフルな看護師のリアルな声

看護師4年目の斎藤さん、中規模の総合病院の外科病棟に勤務し、病棟の新人教育担当を任されています。かなり疲労が蓄積しているようです。リアルな声を聞いてみましょう。

「また今日も夜勤前にぐっすり眠れなかった。新人教育の評価が出来ていないと、教育担当師長さんにみんなの前でこっぴどく叱られたから、評価の資料を仕上げないといけないのに時間がない。だから、夜勤中でも仕事の合間に資料作成しないと間に合わないし、仮眠の時間も取れそうにない。夜勤は新人とペアにされているから、全く気が抜けないし、ナースコールが鳴っただけで耳鳴りがするようになってきた。最近、頭の中に砂が詰まっているように重くて、考えがまとまらないことがある。気が合わない先輩の顔を見るだけで胸がモヤモヤして気分が悪くなってくる。師長に相談しても、新人が成長しないのは私のせいだと責められそうだし、仕事が出来ない看護師と思われたくない。明日も、夜勤明けで教育担当会議だから、家に帰っても寝れそうにないな。最近、彼氏に会う時間も気力もない、メイクして着替えて出ていくのもおっくうになってきた、そろそろ呆れられるかも」

齋藤さん、かなり危ない状態ですね。

1人で背負い込んでいる方が悪い、誰にも相談しないからいけない、と言う人もいるでしょう。しかし、斎藤さん程でなくても、看護師さんは誰しも「あるある」と共感する部分があると思います。当事者は過労の渦に巻き込まれると自力では這い出せなくなってしまう様です。

看護師は患者を観察することと同じくらい、自分の事も観察して欲しい

看護師さんは、自分の労働時間と内容をしっかり把握してください。

労働時間は、実際に勤務した時間と共に、委員会や看護研究などで費やした時間、サービス残業時間も記録しておきましょう。記録することで、客観性が生まれ、第三者に相談しやすくなります。

過労死、労務災害が認められた判例には、勤務実態を表す証拠として本人が友人に送ったメールが採用されているケースがあります。「今日も〇時まで残業、全然寝れない、疲れた(例)」と言った内容です。しかし、日ごろからキッチリとした記録を残していれば「これは異常な勤務実態である」ということを自分でも気が付きやすく、過労死予備軍を避けることができるかもしれません。

過労死の予備軍は真面目な人、相談できない人

自分を客観的に見る、人に相談する、といった手段をとれる人は過労死の危険は低いでしょう。

危ないのは、看護師4年目の齋藤さんの様な「真面目で責任感が強い人」です。弱音を吐けない、上司へ相談することの必要性が分かっていない人、プライドが高すぎる人、嫌と言えない人、という特徴もあります。齋藤さんは、夜勤前に休息を取らず、夜勤明けで教育担当会議に出席しようとしていますが、上司から強制されたことなのか、ある程度自主的な動きなのかは分かりません。

本来、雇用側(病院等)は、労働者である看護師さんが心身の不調をきたし休職したり、退職したりすることは最大限避けたいはずです。ましてや過労死すると、公的な調査や社会的制裁が加わり経営自体に影響を及ぼします。潰れる可能性だってあるわけです。

過労死レベルの仕事をさせている病院の多くは、勤務の実態を把握していないのです。病棟師長から命じられた仕事であっても、度を越した負担であれば、さらに上層部に相談すべきです。

過労死の予備軍になるのは真面目な人、相談できない人です。

疲労しすぎると、思考力は鈍り視野は狭くなる

私の体験談をお話したいと思います。

看護師15年目で手術室に配置転換され、来る日も来る日も勉強の毎日でした。慣れないため、手術中に医師に怒鳴られ、手術器具を投げつけられたことも数えきれません。

緊急手術対応の当番は3日に1回の頻度で、電話があればすぐに駆け付けなければならない為、眠りたくても眠剤もお酒も飲めない日々が続きました。寝る時は枕もとに、外出用の服と鞄を準備するのが日課です。朝9時からの手術であれば、7時半ごろに出勤しなければ間に合いません。これはサービス出勤です、家を出るのは6時半より前でした。ある日は緊急手術が立て込んで、朝7時半から仕事に入り、ふと気が付いた時には翌日の夜中2時になっていました。

そんな日々が2年以上続いたある日、久しぶりに会った高校の同級生に「話していてもネガティブ過ぎるし、げっそりやつれている。何があったの」と言われ現状を話したところ、彼女は血相を変え「過労死したくなかったら辞めなさい、誰かに相談して」と言いました。その時に、自分の日常は異常であり、思考力が鈍って視野が狭くなっていたことに気が付いたのです。

看護師は休職しても絶対に復帰できる、ブランクを怖がらないで

いくら過酷でも、一旦看護師を辞めたら再就職できないのではないか。ブランクがある状態で再就職する事が不安、という現場看護師さんの声を良く聞きます。うつ病やストレス障害で休職した場合、希望する部署に復職させてもらえないから怖い、という看護師さんもいます。

疲れすぎている、過労死予備軍の看護師さんには、一旦休んだり負担の少ない職場に変わって、気力体力を回復してもらうことが重要です。過労死で看護師さんがいなくなることは、はるかに損失が大きいのです。

過労死予備軍はベテラン看護師だけの話ではありません。新人看護師、就職して数年以内の若い看護師さんにも十分あり得るのです。

新人看護師さんの場合、看護後術の習得が未完成のまま退職することを特に恐れる傾向にあり、心身が悲鳴を上げていても仕事を続けてしまうことがあります。しかし実際は、看護師はブランクがあっても、技術が未熟でも希望にかなう再就職が可能です。

夜勤が無い職場、休日多めの職場、委員会活動の負担が少ない職場、新人教育を無理なく継続してくれる職場、通勤が楽な職場、やりたい分野を継続できる職場、等々好条件の職場は必ず見つかります。ブランクや技術の未熟さを恐れて、過酷な環境下に身を置き続けることはやめましょう。

人の命を守り、人を癒す看護師に過労死はあってはならない

高齢者、要介護者の増加。医療の高度化。褥瘡リスク評価、転倒転落アセスメントスコア評価、看護必要度集計等の書類作成業務の煩雑化。これらは重く看護師さんの肩にのしかかっています。

7対1病床を減少させる政策は、10対1以下の慢性期病棟の忙しさを加速させ、急性期病棟の病症稼働率をさらに底上げします。残念ながら、看護師さんの仕事が楽になりそうな要素は見当たりません。

人の誕生から永眠まで関り続け、命を守る看護師に過労死はあってはなりません。過労死まで至らなくても、人を看護して心身を病むことは絶対におかしなことです。人を癒す仕事で過労死なんて健全な社会とは言えません。看護師になる人もいなくなってしまいます。

疲れすぎている、過労死予備軍かもしれないという看護師さんは、職場環境を変えるべきです。いったん休職してみることもお勧めします。看護という仕事のために死ぬよりは100倍マシだからです。

まとめ

いかがでしたか?

看護師は体力的にも、感情労働的にも過酷な仕事です。しかし、看護の原動力はやりがいや達成感のはずです。多少しんどくても楽しい事や嬉しいことがあるから頑張れる、頑張りたいという気持ちが芽生えてくるはずです。

疲れすぎている、過労死予備軍かもしれない看護師さんは、ぜひ看護師専門の転職サイトで新しいお仕事を探して欲しいと思います。真面目で頑張り屋のあなた待っている病院はたくさんあります。

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