精神科の看護師って特殊なイメージ…でも実は働きやすかった!

看護師転職のコツ
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精神科病棟に興味はあるけど、実際の業務が分からない」という声をよく聞きます。

また、出産や育児を経てライフスタイルが変わり、転職や復職を考える時に、精神科病棟を候補とされる方も多くいるようですが、「精神科って特殊なイメージがあって、近づきにくい」という話も聞きます。

そこで、この記事では、

  • 精神科病棟で働く看護師業務内容
  • 「未経験者でもママナースでも働きやすい理由」
  • 「気になるお給料の話」

について書いています!この記事を読めば、精神科病棟のイメージがつき、転職や復職のヒントになるでしょう!

精神科看護師の仕事内容って?

普通の病棟勤務の看護師さんが精神科病棟についてどういうイメージをもっているかどうか、実際の精神科病棟の環境を説明していきます。

療養環境について

閉鎖病棟精神科病棟には開放病棟と閉鎖病棟の2種類あり、閉鎖病棟は鍵のかかる二重扉で仕切られている病棟です。

二重扉の開閉は患者様が無断離院してしまわないために、医療者のみ行います。

家族様や面会者の方が来院された場合は氏名を確認した上で入ってもらいます。

ひと部屋あたりのベッド数は、多い部屋だと6床も入っているため1ベッドあたりのスペースは一般科に比べると狭く感じるかもしれません。

また、病棟の総室には部屋には鍵がかからないことが多いです。なぜだと思いますか?

それは、特定の疾患や精神状態が不安定な患者による閉じこもりや立てこもりを予防したり、急変時にすぐに対応するためです。

精神科特有の部屋として、防音扉と壁で囲われた保護室があります。こちらは厳重に鍵がかかるようになっています。

鍵そして、ナースステーションや汚物室にも鍵が掛かるようになっています。患者様が入って誤飲や危険物の持ち出しを防ぐためです。

私物の管理として、ナイフ類の危険物はもちろん、絞首予防のために、ヒモ類やコード類は持ち込めないなど、持ち込みの制限があります。

なので、閉鎖病棟の病室には、テレビはついていませんし、コンセント類もカバーをしてスタッフ以外開けられないようになっています。

そこで、ベッドが手動であったり、ナースコール類が使えないなどもあり、患者様もスタッフも不便さを感じることもあります。

…ですが、働いているうちに慣れていきます。

業務内容について

精神科看護と聞くと、コミュニケーション中心と思われがちですが、最近は高齢化に伴って日常生活援助が必要な患者様も増えてきています。そして、どんな援助を行うにしても、「心境の変化に気づく」看護が必要になります。ここでは、精神科ならではの看護業務についてお伝えします。

コンビニ外出付き添い、レクリエーション(各週2回)

閉鎖病棟の患者様は行動制限がかかっているために、単独で外出できない方も多くいますので、気分転換活動が不足しがちです。またティッシュやシャンプーなどの日用品がなくなって困ることもあります。そこで、週に2回、スタッフが同伴して院内のコンビニまで外出付き添いをします。

また、週に2回、デイルームでレクリエーションを実施しています。看護師の中でレクリエーション係を毎週交替で決めて、企画実施しています(例:塗り絵、カラオケ、折り紙、ボーリングなど)。普段と違う患者様の反応が見られるので、楽しく過ごせます。ゆっくりとコミュニケーションを取る時間にもなります。

看護記録記載

一般科からの異動者、転職者によく驚かれるのは、看護記録の多さです。精神科では、患者様の看護記録は少なくても1時間毎に記載します。やはり精神科であるため患者様の発言内容や、表情の変化や注意深く観察し、記録に残す必要があるので、記録には時間をかけています。特に変わりなければ「著変なし」で締めくくりますが、一日に一回は担当の患者様とコミュニケーションを取って、言動を詳細に記録するようにしています。

入浴援助

精神科病棟の入浴室は一般科のように、1人ずつ入浴するタイプではなく、銭湯のように集団で入れるようになっています。そこで、看護師が安全のために付き添い、適宜介助をしながら入ってもらいます。患者様によっては足を滑らせたりして転倒事故が起こりやすいので、スタッフ皆で協力して入浴介助をします。

多職種カンファレンス

日勤中の30分程度の時間をとって、医師、精神保健福祉士(ソーシャルワーカー)、心理士、作業療法士などの他職種と集まって、情報交換をしてより良いケアにつなげるためのカンファレンスをします。

食後薬与薬

閉鎖病棟の患者様の内服薬は基本的に看護師管理となっています。内服薬飲み忘れや大量服薬を防ぐために、看護師の目の前で飲んでもらっています。

夜勤の巡視、患者様の所在確認

特に、夕方から夜中にかけて不安が強くなり精神不安定になる方も多く、夜勤時間中に感情的になってしまったり、衝動的になって暴力行為が起こることもあります。そういったことを予測し予防するために、看護師が巡視して患者様全員の所在確認と安全確認をします。看護師同士で連携して、注意して観察できるようにします。

また面会時間終了後(20時)に面会者がいないかどうか、外出した患者様は帰ってきているか、などの所在確認をした上で、病棟に出入りする二重扉の鍵がしまっていることを確認します。無断離院や徘徊を防ぐためです。

消灯中の巡視

消灯後(22時~)は点灯時間(朝6時)まで、閉鎖病棟は30分毎、開放病棟は1時間毎に巡視を行います。かなり頻回に感じますが、寝る前に向精神薬や抗不安薬を飲んでいる方は転倒が起こりやすかったり、症状不安定な患者様が不穏になりやすいことがあるため、消灯中の巡視は大切です。

スタッフの意識も敏感になり、物音がしたらその都度見に行くようにしています。また、消灯後も不眠が続く患者様から希望があった場合には、頓服として向精神薬や抗不安薬を飲んでもらうこともあります。

精神科看護師に向いてる人、向いていない人

精神科病棟に向いている?精神科病棟の業務についてはご紹介した通り、一般科と比べるとかなり特殊な環境です。また、日常生活援助やコミュニケーションが中心であるため、医療行為は少ないです。長期入院患者様も多くいるため、患者さんと長く関わることができます。慢性期看護に興味のある方にオススメです。

そして、患者様と日々関わる中で、見えない心境の変化や、ちょっとした言動の変化に気づくことなどの、注意力や観察力が磨かれる現場です。そのため、心理やコミュニケーションに興味関心のある方には特に向いていると言えます。

逆に、看護技術や解剖生理の知識を生かしたい人には、医療行為が少ないので物足りなく感じることでしょう。そして、急性期看護に慣れている人にとっては、精神科の慢性期的な看護は合わないと思う人もいるようです。

そして、情緒不安定な患者さん同士が、思わぬトラブルや事故を招いてしまうこともあり、対応が大変なこともあるので、メンタル支援に関心がない場合は負担に感じてしまうかもしれません。

ですが、身体的な急変が少ないため、一般科に比べて残業が少ないことが特徴です。またスタッフの人柄は、感情的になることなく優しいスタッフが多いので、人間関係が良好です。そのため、看護業務にこだわらず、ライフワークバランスを重視したいという方にも向いていると言えます。医療行為の技術を磨きたい人や、看護業務・改善にストイックな方には不向きかもしれません。

復職したい・・だけど精神科は未経験という方にオススメ! そしてママナースも働きやすい理由は?

精神科の看護業務は、医療行為が少なく日常生活援助やコミュニケーションが中心です。そして、長期入院の患者様が多いため、ルーチン作業が多いこともあり、業務内容は覚えやすいです。そのため、ブランクがある看護師でも安心して復職できる、看護業務にあたることができます。

また、精神科未経験であっても、結婚や子育てなどの人生経験がある看護師は、患者さんの対応やコミュニケーションが上手であることも多いため、重宝されています。
このように、ママナースや、子育てを終えたブランクナースにもオススメの職場です!

ママナースの働きやすさについて

特に、ママナースの働きやすさについては、同じように家庭を持っているスタッフが多くいるため、時間内に終わらせるように協力して頑張ることで残業が少ないこと。また、ママナースに共感してくれるスタッフが多くいるため子どもの看病などで急な休みになっても「お互い様」と言って励ましてくれるため、定着率は良いです。

実際に、私の職場では、看護師の年齢層は私を含めて20代~30代の第二新卒、転職者が4割程。30代のママナースやナースマンも多く3割程います。ブランクあり、復職された40~50代ナースも2割くらいです。若者からベテランナースまでさまざまにいるので、お互いの経験や知識を生かしながら和気あいあいと仕事しています。

ライフワークバランスについて

元々年間休日120日と休日は多めです。なので、家庭との両立もしやすいようです。特にライフワークバランスに力を入れている病院なので、男女ともに育休・産休取得者が多いです。夜間も見てくれる保育所つきの病院なので、復帰されてからも夜勤に入って、常勤者と同じ業務をこなして下さるので助かっています。

そこで、他病棟から異動されてきたり、他の病院から結婚や出産を機に転職されてくる方もいます。

気になる給料は?一般科と比較!

毎月の手取り、年収は?

東京都の精神病院の求人例で見ると

月収 29.5万円~ 諸手当込(新卒)
年収 433万円~ 諸手当込
基本給 205,300円
初任給調整手当 15,000円
住宅手当 20,000円
夜勤手当(月8回)
※二交代の4回
43,200円(5400円×8回)
賞与 基本給×4.57ヶ月/年

東京都の一般総合病院の求人例で見ると

月収 29.0万円~ 諸手当込(新卒)
年収 424万円~ 諸手当込
基本給 212,000円
初任給調整手当 15,000円
住宅手当 20,000円
夜勤手当(月8回)
※二交代の4回
43,200円(5400円×8回)
賞与 基本給×3.7ヶ月/年

と、新卒の給与で比較して見たところでは精神科病院の方が基本給はやや低めではありますが、賞与が高いため年収は精神科病院の方が高いです。

しかし、病院にもよりますが、昇給は1000円前後/年と一般科に比べると低めであり、中には経験10年以上は加算されない病院もあります

精神科特有の手当としては危険手当があります。金額としては3,000円程度のこともあれば、30,000円にもなることも!

そして、時間外残業がほとんどないため、残業代は基本的出ません。役職者の集まりや勉強会が時間外に行われることがありますが、30分程で終わらせるために残業としてみなされていないようです。これは病院によっても慣例が違うと思います。

まとめ

精神科病棟と聞くと、特殊なイメージがあると思いますが、案外ハードルは高くないです!

そして観察力やコミュニケーション力が磨かれる、奥深い分野です。

そのため、ブランクありでも未経験でも、興味がある方にはぜひとも来て欲しいところです。

ライフワークバランスがとりやすい病院も多いので、仕事と家庭を両立したい方にもオススメです!

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