新人看護師「これって指導?いじめじゃね?」学校では教わらない”いじめ”の予防策と対応策

新人看護師の悩み|看護師ゴシップ記事
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春から看護師としての新生活をスタートさせた新人看護師さん、毎日元気に出勤できていますか?

最初は期待に胸膨らませ、やる気十分!だったのに、連日先輩看護師からの厳しい洗礼を受け、凹み気味…という人はいませんか?

先輩看護師との関わりに「これって指導?いじめ?」と悩む人も多いのでは?

そこで今回は、「指導」と「いじめ」の違い、いじめの具体例や原因と対策について考えてみたいと思います。

「指導」と「いじめ」の違いって?

そもそも、「指導」と「いじめ」の違いって何でしょうか?

広辞苑によると、

◆指導…目的に向かって教えみちびくこと。
◆いじめ…弱い立場の人に言葉・暴力・無視・仲間外れなどにより精神的・身体的苦痛を加えること。

とあります。

「指導」が「相手を育てること」を目的とするのに対し、「いじめ」の目的は「加害者の気晴らしや発散」です。「指導」には相手を思う愛情がありますね。

厳しい指導は時としていじめとの境界線が曖昧になることがありますが、指導の場合は、相手の欠点を指摘することはあっても、人格を否定することはありません。

あなたのためと指導を装いつつも、人格まで否定されたら、それは厳しい指導という名の「いじめ」と言えそうです。

指導する側・される側の思いのすれ違い「ハラスメント」って?

ハートマン軍曹

ハートマン軍曹「お前たちは、厳しい俺を嫌う!だが、その度に、学んでいく!」(代表的なハラスメント)

「指導には相手を思う愛情がある」と書きましたが、実際【指導する側(先輩)】が【指導される側(新人)】への愛情を持っているかは、新人さんには見えにくいですよね。

例え【指導する側(先輩)】が愛情を持って指導しているつもりでも、【指導される側(新人)】がそれを感じられず、傷ついた、自信喪失したと感じるならば、それは指導ではなくなってしまいます

これを「ハラスメント」と言います。

ハラスメントとは、「それぞれの理由で、他者に対して行われる言動が、その意図にかかわらず相手を不快な思いにさせる、不利益を与える、尊厳を傷つける、不安や脅威に陥れるような場合のこと」と定義されています。

ん?なんか小難しい話になってきました?

要するに、「いじめ」は加害側の気晴らしや発散といった明らかな意図があるのに対し、「ハラスメント」は意図の有無に関わらず、という点に違いがあります。

先輩側に悪意はなくても、新人さんがその言動に傷ついたと感じるならば「ハラスメント」に当たるということですね。

私たちが普段いじめ」と呼ぶ中には、この「ハラスメント」も少なからず含まれていそうです。

先輩側に加害意識はなく、「一人前になってほしい!」という思いで行う指導も、新人さんの受け止め方によっては「指導」にも「ハラスメント」のどちらにも成りうるということです。難しいですね…。

新人看護師への「いじめ」はつきもの?

お悩みナース

女性社会、上下関係、キレやすい患者・・・(ゲソ

看護師という仕事は、女性が多く、業務上の責任が重い上に、慢性的な人手不足傾向にあり、ストレスが溜まりやすい職業と言えます。

医労連が2017年に実施した看護職員の労働実態調査では、一般病棟で勤務する65.7%の看護師が「今の仕事に強い不満、悩み、ストレス」があると答えているんだとか…。

さらに不満や悩み、ストレスの原因として26.1%の人が「職場の人間関係」を上げています。

これは新卒・既卒に限らず4人に一人以上の看護師が「職場の人間関係」に悩んでいることになります。ココロの闇の深さを物語る数字ですね…。

加えて職場に新人さんが入れば、スタッフの視線はおのずと新人さんに向けられます。そしてそこには当然指導する/される場面が発生し、それぞれの思いが交錯します。
中には、指導以前に自分の気分次第で新人に当たり散らすスタッフもいたり…。

このような背景からも、「ハラスメント」を含めた新人看護師への「いじめ」ある程度は起こるもの、と思った方がよいです。

どこからが「いじめ」?具体例から考える

ネットは看護師の愚痴の渦

ネット上の掲示板などから、新人さんが先輩や上司に「いじめられた」と感じた具体例を見ていきましょう。

  • まだ教わっていない仕事を指示されたので、分からないと答えると「まだそんな事もできないの?」と言われるという威圧
  • 分からない事を聞くと「すぐに人に聞かないで調べたり、自分でも考えなさい。」と言われるのに、自分で考え行動しようとすると「勝手に行動しないで、人に聞きなさい。」と言われるという理不尽な矛盾
  • 挨拶したり、わからないことを質問すると無視
  • 何かあればすぐに「これだからゆとり世代は困る…。」と嫌味たっぷりに言ってくる、ベテランナース…。(←おまえらがゆとり世代作ったんだろうが)
  • 新人のミスをあげつらっては、他のスタッフにも聞こえるような大声で叱責する先輩屈辱
  • 新人だからという理由で、自分の担当患者以外の仕事も押し付けられる雑用。

こうしてみると、新人さんがいじめられたと感じた内容には、明らかに陰湿な「いじめ」もあります

一方で注目して欲しいのが、「指導」との区別が難しいが、新人看護師さんは傷ついたと感じている「ハラスメント」も中には存在しているという事実です。

新人さんが先輩スタッフを怖い、冷たいと感じるのと同じように、先輩スタッフもまた「新人さんが何を考えているのかわからない」と悩んでいるかも知れませんね。

いじめられやすいタイプって? 傾向を知ってできることからはじめよう!

先輩看護師に聞いた「こんな新人はイヤ!指導したくない!」と感じる瞬間と、そこから考える、今日からできるいじめ予防策の一例を紹介します。

挨拶ができない

  • 「忙しい中、時間を割いて指導をしているのに『ありがとうございます』『すいません』の一言すらない新人は指導する気が失せる。」
  • 「仕事ができない新人よりも、仕事はできるのに挨拶ができない新人、イラっとするのは後者。」

⇒予防策:挨拶はコミュニケーションの基本!相手の状況に配慮する『すみません』と、感謝の『ありがとうございます』を忘れずに、教わり上手になろう

やる気がない

  • 「こっちが一生懸命説明してるのに、メモも取らずにボーっとしてる新人。やる気あんの?
  • 「一度教えたことを、何回も聞いてくる子はダメ。復習してるの?

⇒予防策:相手の話を聞く時はメモをとる!教えてもらったことは必ず復習して、次に活かす努力をしよう

反応が少ない、声が小さい、表情が暗い

  • 「何を訊いても反応が薄い子、ボソボソ喋る子は本当に大丈夫かなぁと心配になる。」
  • 「できなくても笑顔で頑張ろうとする子は、応援したくなる。」

⇒予防策:「わかったこと」「わからないこと」はきちんと意思表示すべし。反応しているつもりでも、相手には伝わりにくいこともあるため、「自分は大人しい」、「表情が硬くなりやすい」と思っている人は、柔らかい表情と話し方を特に意識してみよう!

素直でない、何かと他人のせいにする

  • 「何か言うと、すぐ『○○さんにはこう教わりました』と責任転嫁する人は指導する気が失せます。」

⇒予防策:指導の内容や方法には教える側の個人差もあります。やり方が違う時に、すぐ教えてくれた先輩の個人名を出すことは、本人にその気はなくとも、責任転嫁と取られてしまうことも。間違った時には、まずは「自分に原因はないか?」と振り返る謙虚さ、素直さも大切です。

教え方の違いに戸惑った際は、自分自身でも調べて、どちらが正しいのか見極めることも大切です。

いかかですか?

最初から全てを意識することは難しくても、少しずつでも始めてみませんか?ひたむきさはきっと先輩スタッフにも伝わりますよ。

それでもいじめを受けたら、どうする…?対応策4つ!

誰しもが、新人看護師時代には先輩に注意されたり、怒られた経験を持つものです。それは看護師として一人前に成長過程で、ある程度は避けられないものではあります。

だからと言って、「未熟な自分が全て悪い」と自分ばかりを責め、辛い気持ちを押し殺し続けることは、事態の根本的な解決にならないばかりか、うつ病などを招く危険も。

「これっていじめかな?」、「最近、先輩に言われた言葉が胸に刺さって、気持ちが沈みっぱなし…。」などのサインがあれば、以下の解決策を試してみることをオススメします。

①身近な人に相談

おお、友よ。

おお、友よ。

一人で悩んでいると視野が狭くなり、物事の冷静な判断が難しくなります。

そのため、まずは家族や友人などの身近な人に相談してみましょう。

相談するときは、先輩の言動や自分がとった行動といった事実のみを伝え、自分の感情は含めないようにするのがポイント。

相談相手に「いじめかどうか?」を客観的に判断してもらうことが大切です。

②信頼できる先輩・上司に相談

プンスカおこる先輩ナース

先輩はちゃんと教えているつもりですが・・・厳しすぎ?

身近な人に相談して、やはりいじめでは?となったら、次のステップはいよいよ職場の先輩や上司への相談です。

信頼できる一番身近な先輩としては、プリセプターが思い浮かべることも多いでしょう。

ただし、プリセプターがいじめの加害者、もしくは加害者がプリセプターよりも年上の人であれば、プリセプターに相談できない・相談しても解決にならないこともあります。

その場合は主任や師長など上の役職の人へ相談をしましょう。役職だけでなく、相談相手として信頼できるかを見極めて相手を選ぶのも大切なポイントです。

③相談後は期限を設けて状況観察

やめたいと思う日

新人看護師「またがんばります!(3ヶ月間待ってやる)」

職場に相談した結果、すぐに状況に変化が見られる場合と、時間がかかる場合があるかと思います。

苦しい気持ちを抱えたまま、ずっと待っているのは辛いこと。

自分の中で例えば「3ヶ月経っても変わらなければ、転職(異動も含め)も考える」など、ある程度の期限を決めて、状況を伺いましょう

④環境を変える

キレイな病院内…とは違う!

環境を一新するのは最後の手段!

期限内に状況が好転しなければ、我慢してそこに居続けるより環境を変えることも一つです。

環境を変えることで、自分の持てる力を発揮できる可能性があります。

ここで迫られるのが部署異動か?転職か?という決断ですが、決断は慎重に。可能であれば、まずは部署移動をおすすめします。

なぜなら、卒後1年目での転職はあまりよい印象を与えず、転職活動は決して容易とは言えないからです。→看護師一年目で転職すると・・・?

最終手段として転職を決断する場合は、一人での情報収集には限界もあります。

そのため情報に精通した転職支援サービスを活用してサポートしてもらうとよいでしょう。

おわりに

いかがでしたか?「いじめ」と「指導」の線引きは、指導する側・される側双方の思いや受け止め方が関与するため判断が曖昧で難しいですよね。

先輩から厳しい洗礼を受けた時は、まずは自分に原因がないかを考え、相手が指導したくなるような態度を心がけてみることも大切です。

しかし、努力しても状況が変わらなければ、それはいじめかも知れません。

いじめを受けた場合に大切なのは、一人で全てを抱え込まないことです。職場の先輩に恵まれなくても、あなたの味方は必ずいるはずです。

勇気を出して、まずは自分の状況を伝えてみることから始めましょう。

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