大学病院で働く看護師は年収がめちゃくちゃ良い!?その理由を徹底調査してみた

看護師関連情報
※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

大学病院で働く看護師についてどのような理想を浮かべていますか?

年収給料面や勤務体制、教育指導体制に大きな期待を寄せている方が多いと思います。

今回は、大学病院の実態と、将来の展望に見合う環境が整っているのかを徹底調査してみました。

大学病院への就職・転職考えるきっかけになる情報をご紹介していきます。

  1. 給料の差はどれくらい?
    1. 看護師全体の平均給料
    2. 施設ごとの年収ランキング
    3. 大学病院の地域別の平均年収
  2. 退職金や各種手当の差は?福利厚生はどうなの?
    1. 施設ごとの退職金ランキング
    2. 勤務年数ごとの退職金相場
    3. 役職別の給料の差
    4. ボーナス額の差
      1. 国立大学病院
      2. 私立大学病院
    5. 夜勤手当の差
    6. 福利厚生
      1. 公務員が優遇される積み立てに入れる
      2. 公務員扱いの看護師の制度が充実している
      3. 資格取得支援、子育て支援、復職支援などが充実している
  3. 大学病院での看護業務の仕事環境、仕事内容は?
    1. 大学病院での看護業務の仕事環境
      1. 知識が身につく
      2. 転職をする前に転科という選択肢がある
      3. 転職に強く、有利に働く
    2. 【仕事内容】
      1. 看護体制が整っている
      2. 最新の医療を臨床で実施できる
  4. 大学病院への就職のデメリットはないのか?
    1. 仕事環境のデメリット
      1. 離職率が高い
      2. 勤務年数を重ねるほど責任が重くなる
      3. 委員会活動が忙しい
    2. 仕事内容のデメリット
      1. 部署によっては技術が身につかない
      2. 専門性が偏りすぎる
  5. 大学病院に向いている人とは?
    1. 研修制度を利用してしっかり勉強しながら看護実践したい人
    2. 勉強の過程で看護研究を深めて新たな知見を得たい人
    3. 最先端医療や高度医療にかかわり、専門性を高めたい人
    4. 昇格して責任職に就き、高収入を狙いたい人
  6. 民間病院からの転職で課題となる点とは?
    1. 特殊な資格を有している場合…
    2. 資格を有していない場合…
  7. おわりに

給料の差はどれくらい?

次に、収入の差を色々な比較対象でみてみましょう。

看護師全体の平均給料

  • 看護師の平均年収は519万円(平成27年度人事院統計書調べ)
    内訳→男性平均年収:462万円、女性平均年収:470万円
  • 看護師の平均給料は35万円
  • 平均年齢37歳

そもそも、看護師という職業事態の給料相場は一般的な会社員より高給ですよね。

このベースから、就職先施設ごとの年収に視野を広げて比較してみると、

施設ごとの年収ランキング

  • 1位 ER看護師 543万円 (487~600万)
  • 2位 大学病院 490万円 (420~560万)
  • 3位 総合病院 465万円 (400~530万)
  • 4位 個人病院・クリニック 390万円(340~440万)

このように、大学病院、かつ特殊な環境下に就職するほど、年収は上がります

大学病院のように規模が大きくなるほど、賞与や待遇がよくなり、自然と年収が上がる仕組みですね。

さて、転職するにあたり、なるべく高給な大学病院へ…と考えているなら、地域を選ぶのも一つの手です。

大学病院の地域別の平均年収

都会は…

  1. 東京:669.2万円
  2. 大阪:573.6万円
  3. 愛知:525.8万円。

地方都市では…

  • 北海道:430.2万円
  • 福岡:478.0万円

結構地域格差は大きいですね。

物価も影響するでしょうが、人手が足りず忙しいであろう中心都市の大学病院では兎角、給料を上げて看護師を確保したい意図が感じられます。

また、大学病院と言っても、国立、公立、私立の3種類があり、それぞれの平均年収は異なります。

一般的に高い年収をもらえそうなイメージのある私立の大学病院は全国に29院あります。

経営方針や置かれている環境が異なるので平均年収を出すことは難しいですが、先ほど挙げた地方と都市の収入格差はあるでしょう。

国立や公立の場合、公務員手当とされることもありますが、独立法人であるとそうはいかないので、給料や待遇面が必ずしも満足するものでない時があります。

退職金や各種手当の差は?福利厚生はどうなの?

次に、基本給にプラスされる手当や気になる待遇についてご紹介します。

仮に退職するということになっても規模が大きい大学病院であれば多くのところで勤続年数に応じて退職金が得られます。

施設ごとの退職金ランキング

  1. 国公立大学
  2. 老人ホームや介護施設
  3. 大手総合病院や企業病院

国公立大学病院であれば、定年退職まで30年以上勤務の場合、1500~3000万円を得られるようです。

しかし、正社員やパート社員など雇用形態によって退職金が変わる場合があります。

雇用形態の確認とそれによる退職金が発生するのかは雇用時に要確認事項ですね。

勤務年数ごとの退職金相場

勤務年数 退職金の相場
勤続3年 0~30万円
勤続4年 30万~50万円
勤続5年 50万~100万円
勤続10年 250万~400万円
勤続20年 450万~600万円

退職金は勤続年数によって大きく変わり、獲得できる境目は勤続3年です。

公務員であればもらえる額も大きくなりますが、その時代の景気にもよるので、まるっきり安心することもできないのが現実です。

さて、勤続年数が長くなれば役職がついてくるのが大規模な会社である大学病院の良いところですが、実際にどのくらい手当がついて給料はあがるのでしょうか。

役職別の給料の差

役職 平均年齢 手当の平均
看護部長 55歳 約8万円
看護師長 47.1歳 約4万5千円
主任看護師 50.1歳 約1万円

ここであげる数字は、勤続年数で基本給が上がり、そこに役職手当が加算されるという一般的な給与体制で、連続した勤務年数がある看護師の場合です。

また、年収でみると、看護部長は、公立病院(約850万円)、大学病院(約750〜800万円)、総合病院(約650〜700万円)と施設ごとに異なり、中には1000万円に到達する病院もあるようです。

看護師長の平均年収は550万円〜650万円、主任看護師の平均年収は約500万円程度と言われていますが、こちらも施設ごとに差が出ます。

多くの病院や施設では、管理職になると時間外手当や、夜勤がなくなるので夜勤手当が支給されなくなることから、年収が下がってしまうことがあります。

それでは、役職についていない間のボーナスや夜勤手当の差についてもまとめていきますね。

ボーナス額の差

大学病院の中でも、国立と私立で異なりますが多くのところは100万円以上で、病院名を挙げてランキングをつけると以下のようになります。

国立大学病院

ランキング 病院名 ボーナス支給額
第1位 大阪大学医学部附属病院 154万4000円
第2位 富山大学附属病院 151万円
第3位 京都大学医学部附属病院 147万4000円

私立大学病院

ランキング 病院名 ボーナス支給額
第1位 近畿大学医学部付属病院 138万3391円(支給実績6.43ヶ月)
第2位 東邦大学医療センター 130万8500円(支給実績6.3ヶ月)
第3位 順天堂大学医学部附属病院 129万2700円(支給実績6.2ヶ月)

平成28年の統計によると、看護師の年間ボーナス平均額は約83万円で、看護師の平均的な月給(約30万円)の約2.7カ月分です。

よって、大学病院では看護師の平均ボーナス額以上が得られると言えます。

夜勤手当の差

夜勤手当(22時~5時)に関しては、法律で定められているので、どの施設でも、日勤での給料に比べて最低で25パーセント増しです。

加えて、夜勤の勤務パターンを考えると5時に終了することはないので、残業手当がつきます。

この残業手当も夜勤手当同様、日勤給料の25パーセント増しですので、合計すると夜勤一回につき、日勤給料の1.5倍が得られるのです。

差が出るとすれば、

  • 1.5倍定額でプラスアルファも一切なし
  • 1.5倍で計算した上に、更に1回あたりの定額でプラスアルファするところ
  • 1.5倍よりも更に高い倍率で計算するところ

という施設の差はありますので、雇用条件で一回当たりの夜勤手当が日勤給料の何倍になっているのか要チェックです。

このように、各種手当が手堅い大学病院ですが、そのほかに勤続しやすい環境づくりに力を入れている所が多いです。

福利厚生

公務員が優遇される積み立てに入れる

共済の積み立てが高金利(1%を超える)で行える制度があるので、退職後も安定した暮らしを送ることが可能となります。

ただ、私立にはない国公立の大学病院での待遇となりますし、それほど金利が良いわけではないかもしれないので、よく検討してみてください。

公務員扱いの看護師の制度が充実している

公立の病院では、公務員扱いとなり、しっかり働いた分の休みを確実に取得できるので、ワークライフバランスを保ちやすいと言えます。

資格取得支援、子育て支援、復職支援などが充実している

福利厚生がしっかりしている場合がほとんどですので、特殊資格を取りやすく、産休育休を取れて復帰もしやすい職場体制となっているようです。

退職せずにライフイベントに合わせて仕事が続けられるのは安心につながりますね。

大学病院での看護業務の仕事環境、仕事内容は?

はじめに、大学病院に就職した場合の仕事環境・仕事内容・待遇面についておさえていきますね。

大学病院での看護業務の仕事環境

知識が身につく

大学病院は教育機関でもあるので、月に何回か勉強会や発表会があります。

それらの会にむけて仕事の中で看護研究ができたり、看護スキルをより深く学ぶ機会が多く与えられます。

転職をする前に転科という選択肢がある

もし、配属された科が合わなかったとしても、他の科へ退職せずに移ることが可能です。

退職すると色々と面倒ですし、昇格してきた意味がなくなってしまいます。

様々な科がある大学病院だからこそ、選択肢の広がりが助けになるのですね。

転職に強く、有利に働く

スキルを磨ける仕事環境ですので、大学病院を退職した看護師は、高収入の条件で民間病院が雇用する場合もあります。

よって、大学病院勤務は将来的に使える(おいしい)経験だと思います。

【仕事内容】

看護体制が整っている

勤務体制や残業の状態改善を行う部署があったり、職員へのカウンセリングや個人面談が設置されていたりと、辞めることがないように病院全体で活動しています。

また、近年ではパートナーシップ制をとっていることが多く、ペアで行動して業務をこなしていくので一人にかかる負担が軽減されているようです。

ただ、この体制は好みになってくるので、動きづらいと感じることもあるので、メリットとは言い切れません

最新の医療を臨床で実施できる

治験や最新の医療を積極的に実施しています。

原因不明の難病を抱える患者も多く入院しているため、常に新しい医療や看護に触れることが可能です。

様々な患者がいることで、看護研究の新たな知見を得やすそうな環境と言えますね。

大学病院への就職のデメリットはないのか?

さて、先に述べたメリットの裏側を考えるとデメリットも考え付きます。

そこを見極めることが自分の人生を大切にできる一手間となりますよ。

仕事環境のデメリット

離職率が高い

毎年10人に1人が看護師を離職しており、それ相応の理由があると考えられます。

こうした状況は悪循環を生み出し、中堅が育たない中、新卒と熟練スタッフしかいない環境で、人間関係がこじれやすい可能性があります。

勤務年数を重ねるほど責任が重くなる

勤務年数に応じて、重症患者の受け持ちやリーダー業務、委員会や勉強会の調整、新人教育など、責任の重い仕事を任されることが多くなります。

定時で帰ろうとしても、なかなか時間内におさめることが困難となるケースも。

委員会活動が忙しい

責任を負うデメリットにかぶりますが、勤務合間で活動するため、ワークライフバランスを崩しかねません。

仕事内容のデメリット

部署によっては技術が身につかない

大学病院にありがちな、研修医が採血や点滴を行うという点です。

仕事量が減るのはラッキーですが、民間病院に勤める同期に比べて技術力が下回るケースがしばしば見られます。

専門性が偏りすぎる

たくさんの科にわかれて日々看護を行うせいで、疾患に応じた処置内容や知識が偏る可能性があります。

そのため、幅広い応用が利かず、“使いづらい看護師”になる可能性があります。

こうしてみると、大学病院の仕事環境や内容は一長一短ですね。

待遇は大学病院であるので規模が大きいのでよほど酷い財政状況な病院でなければ安泰と言えるでしょう。

大学病院に向いている人とは?

メリットもデメリットも考えた結果、大学病院への就職を悩む方に提案です。

将来の希望が以下のことに当てはまる方は、大学病院が向いていると考えられますので参考にしてみてください。

研修制度を利用してしっかり勉強しながら看護実践したい人

しっかりとした指導が提供されるので、安心して看護実践の基礎を固められるでしょう。

勉強の過程で看護研究を深めて新たな知見を得たい人

ゆくゆくは大学院で修士をとりたいという方、大学病院ならば、提携する大学院への進学を支援してくれる病院もあります。

修士をとりやすい環境が整っているのは教育機関、研究機関でもある大学病院だからこそともいえるでしょう。

看護研究を提携する大学と共同して行うことで、助成金を受けやすかったり研究手法が学べたり、利点は多くあります

最先端医療や高度医療にかかわり、専門性を高めたい人

専門性を高めて専門看護師や認定看護師の資格を取りたい、もしくは取れた資格を生かしたいという目標がある方には恵まれた環境と言えるでしょう。

専門分野を生かせる現場で、自分の実績を積むことができますよね。

昇格して責任職に就き、高収入を狙いたい人

どんどん昇格して夢は副院長…!というような上昇志向の方には大学病院の規模の大きさは夢が膨らむ環境と言えます。

病棟ごとで看護副師長や看護師長となれるので、なれる確率は一般病院と比べて上がります。

以上のような大学病院に勤めるのに適した希望を持つ方の中には、少々課題がある方もいるので、最後にその点に関しておさえていきます。

民間病院からの転職で課題となる点とは?

民間病院から大学病院へ転職したいと希望する方、以下に挙げる課題が生じる時、大学病院が希望に満ち溢れている…というわけではないので、熟慮してください。

特殊な資格を有している場合…

専門性がある看護師であれば、好条件で大学病院へ転職することが可能と言えます。

ただ、資格を有している看護師が同じ科にいない、病院の中で一人、ということが多いので、ハードワークになる可能性は覚悟が必要です。

資格を有していない場合…

遅くとも30歳ぐらいまでには大学病院に移らないと、周囲の看護師との力量の差が浮き彫りになり、仕事をしづらくなるかもしれません。

また、新卒看護師の指導者を任せられる可能性もあります。

そのため、看護師としてプロ意識が高く技術を磨いてきた人でないと厳しい環境になります。

おわりに

いかがでしたでしょうか、大学病院で働くメリットやデメリット、そしてどのような将来像を描いているかによって合う、合わないがあることを知る機会となりましたか?

給料面は確かに優れていますがそれだけで考えて、大学病院が良いかというと、そうではなさそうな実態が明らかになりましたね。

高収入の病院は、ハードワークのおまけつきの可能性が高く、離職率が高い理由があり、割に合わない仕事内容の可能性があります。

このような様々なデメリットを知った上で、大学病院への就職を決定づける大事にしてほしい点は、将来の展望を実現できるのかどうかです。

スキルアップや役職アップ、給料アップを求めているのであれば、教育機関でもあり、研究機関でもあり、昇給を見込める安定性はとても魅力的ですよね。

そして、民間病院からの転職に当たり、最後に挙げた課題をクリアできるのであれば、転職があなたの人生を明るくする可能性が大きくなります。

よく情報収集して、自分の希望に見合う大学病院への転職をご検討ください。

コメント