訪問看護師へ転職するなら今でしょ!!っていう理由を現役が解説!

看護師転職のコツ
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さてみなさん、日本の80歳以上の高齢者人口は、2016年遂に1千万人を超えました。

2000年には5人に1人が高齢者?と危惧したのは昔の話です。2035年には、65歳以上の高齢者割合が約34%に達すると推測されています。

全国民の3人に一人以上が高齢者、という時代が目前に迫っています。

国の医療政策方針は、入院病床の縮小、医療療養型病棟の縮小、在宅復帰推進の一途をたどっています。在宅医療、訪問看護の需要は増すばかりです。

訪問看護ステーションの数は、9000を超えグングン増加傾向にあります。訪問看護ステーションが増えているということは、訪問看護師の需要が高まっていることを表しています。

  • で、実際、訪問看護師への転職ってどうなの?
  • 今まで培ってきたキャリアが生かせるの?
  • 訪問看護師としてキャリアを積めるの?

と疑問に思っている方は多いと思います。この記事では、訪問看護師の転職事情について解説していきます。

訪問看護は売り手市場、訪問看護師は貴重

看護師として勤務する人たちのうち、訪問看護で働く割合はどれくらいだと思いますか?

平成24年のデータでは、「全看護師の約2%」と言われています。

かなり少ないと思いませんか。訪問看護ステーションが全国に9000か所以上あるにも関わらず、働く看護師は全体の2%。です。これは、各訪問看護ステーションが小規模であることを表していると思います。

訪問看護師はとても貴重かつ、訪問看護は売り手市場です。つまり、普通の就職先より交渉がしやすいということ。

つまり給料や勤務形態の融通が聞きやすく、こちらのワガママは通りやすいのです。逆に、経営側が条件を厳しくすると人が集まらず経営が成り立たないため、良い人材を集めるため好条件競争が起こっている状態なのです。

言い方を変えると人材不足であり現場は大変と思うかも知れませんが、仕事がなくて給料アップの交渉もできず、人員削減削減・・・の状態よりは現場にとってもオイシイ状態です。(=売り手市場)

病院、クリニックでお勤めの看護師さん、育児中・介護中だったブランクのある看護師さんも採用されやすい職種であり、条件をつけやすい状態と言えます。

病院勤務の看護師から訪問看護師へ転職する場合の注意点

病院勤務で経験を積んできた看護師さん、訪問看護師への転職は難しくありません。

訪問看護は、医療的処置の必要な利用者さんが多くなっています。

採用側の訪問看護ステーションは、医療的処置を安静して任せられる看護師を求めています

採血、末梢静脈路確保の点滴、胃瘻の管理、CPAPの管理などの看護技術が出来ることです。フィジカルアセスメントで身体状況を評価できるアセスメント能力です。

つまり、病院勤務で培った知識、看護技術などのキャリアは訪問看護に活かすことができます

病院勤務から訪問看護へ転職する場合に注意すべき点は、病院感覚をストレートに持ち込まない、ということです。

訪問看護は、在宅すなわち利用者さんのテリトリーで行われます。訪問看護師は利用者さんのお宅にお邪魔する立場です。

利用者さんやご家族を「指導する」姿勢を前面に出すと上、コミュニケーションが上手くいきません。

訪問看護師は、不潔な環境、間違った食生活、介護放棄と思える現場、など病院や施設看護では考えられないケースに遭遇します。しかし、あれもダメ、これも禁止、と指摘しすぎると利用者さんやご家族の反感を買い、信頼関係が崩れてしまう恐れがあります。

病院勤務時代の様に、スピード感を求めないでください。訪問看護は、焦らず、ゆっくり、利用者さんの納得のいくように共に歩む、そんな忍耐強さが求められます

訪問看護師から訪問看護師に転職する場合の注意点

訪問看護師の経験があり、別の訪問看護ステーションに転職する。転職自体は難しくありません。この場合、就職したい訪問看護ステーションの志望動機が重要になってきます。

訪問看護ステーションには、それぞれ特色があります。

服薬管理や日常生活調整などの介護中心の利用者さんが多いステーションでしょうか?

緊急時訪問看護加算、ターミナルケア加算を取っている医療依存度の高い利用者さんが多いステーションでしょうか?

理想の志望動機の例を見ていきましょう。

  • 介護処置が多い訪問看護ステーションで頑張ってきたが、医療的処置の多い利用者さんも看れるようになりたい。在宅での看取りに力を入れたい
  • 急性期的な医療的処置よりも、利用者さんやご家族のお話をしっかり聴いて、生活支援ができる看護師を目指したい
  • 24時間対応で利用者さんに安心を提供できる訪問看護師になりたいので、24時間対応しているステーションで働きたい

今までのキャリアを最大限発揮したいという思い、訪問看護師として自分は何がしたいのか、どんな訪問看護師になりたいかをしっかり伝えることが大切です。

NGな志望動機の例も見ていきましょう。

  • 以前勤めていた訪問看護ステーションは、利用者さん宅への移動距離が長く、体力的にしんどく感じていた。こちらでは、半径5キロ以内と出ていたので働きやすそうだと思った。
  • 医療的処置が苦手なので、点滴や採血が少ない、介護中心の訪問看護ステーションで働きたい
  • 前の訪問看護ステーションは残業が多く、人間関係も悪かったので辞めた。アットホームな職場で働きたいと思う

以前の職場よりも楽そうだからここで働きたい、というニュアンスを含んだネガティブな志望動機は避けた方が良いでしょう。

ブランク状態から訪問看護に転職する場合の注意点

産休、育児、体調不良、介護などの様々な理由で、休職期間がある看護師さん、訪問看護師への再就職は可能です。

ブランクが長いと、看護師として働きだすこと自体が不安ですね。それでも大丈夫。点滴、注射、採血、創傷処置や褥瘡アセスメントなどの医療的処置が苦手でも、訪問看護師で働くことは可能です。

これらの知識、技術が不必要という意味ではありません。訪問看護には、医療的処置の少ない利用者さんもいます。

仕事に慣れるまでは、医療的処置の少ない利用者さんを割り当ててもらうなど、調整してもらいやすいという意味です。

ブランク状態から再就職すると、仕事に慣れること自体大変です。訪問看護師は、病院看護業務に比べて、ゆっくり学ぶことができるので安心です。

訪問看護はキャリアが生かせない、と勘違いしていた私

私は、20年以上急性期病院で看護師として勤務してきました。その後、訪問看護師に転職しました。

急性期病棟で働いている頃、訪問看護師に抱いていたイメージは

  • 「在宅支援が必要なことは分かっているけど、自分はやりたくないな」
  • 「病院から離れると、看護技術の腕が鈍ってしまいそう」
  • 「訪問看護に行ったら、それまでのキャリアが生かせない」

といったネガティブな内容でした。

訪問看護師より、病棟看護師の方が知識・技術共に優れている。と勘違いしていたのです。

もちろん実際は違います。訪問看護師が最善の看護を提供するためには、幅広い知識と、確かな技術、何より卓越したコミュニケーション能力が求められます。訪問看護の現場では、点滴に失敗しても変わってくれる先輩はいません。処置に時間をかけることも不可能です。時間は限られています。

訪問看護師に転職しても、看護技術力、アセスメント力、判断力、コミュニケーション能力などそれまで培ってきた能力が鈍ってしまうことは絶対にありません。

訪問看護で看護師のキャリアは活かせるのか

訪問看護に転職し、それまでのキャリアを活かすことはできます。ただし、転職活動での職場選びが肝心です。

病院勤務で豊富な知識、管理能力があるにも関わらず「訪問看護は1年生でしょ」と、全く新人扱いされてはたまりません。

看護師としてのキャリアを認めた上で、訪問看護師としての船出を応援してくれる職場が理想です。

面接では、看護師として出来ること、得意なことを上手にアピールしつつ、訪問看護は初めてなのでしっかり教えて欲しい、という思いを伝えることが大切です。

  • 「病院で患者さんに接するような応対は要らない」
  • 「病院っぽい感性を持ち込まず、利用者さんをお客さんと思って欲しい」
  • 「エビデンスとか正論ばかり言わないで欲しい」
  • 「管理的な視点は必要ない」

と、最初から念を押してくる訪問看護ステーションは避けた方が良いと思います。あなたのこれまでの看護師としてのキャリアを評価してくれないからです。

失敗しない訪問看護への転職、近道は?

訪問看護の求人広告は「初心者でも大丈夫」「丁寧に教えます」「点滴、採血ができなくても大丈夫」「残業少なめ、直帰可能」「アットホームな職場」といったアピールポイントが多いです。

看護師としてのキャリアを評価し、仕事に活かせるか、は面接に行ってみないと分からないことがほとんどです。働きだすまで分からないことも多いのです。

失敗しない訪問看護師への転職には、看護師転職サービスへの登録が確実です。

あなたのキャリアを十分に理解した上で、そのキャリアを求めている訪問看護ステーションとマッチングしてくれるからです。

訪問看護ステーションには、様々なタイプがある事は前述しました。あなたのキャリアが活かせそうで、給与待遇や労働条件の希望に合う職場を自分だけで探すことは難しいと思います。

ただし、看護師転職サービスも例に漏れず、その選び方が重要だったりしますし、どうしても選べないものもあります。それは担当者です。

担当者の仕事のデキがあなたの転職を成功に結びつけてくれます。しかし、デキない担当だとそもそも転職活動が難航していつまでたっても職場を変えられません

手っ取り早く転職を成功させるなら、複数の転職サービスに登録し、「この人だ!」という担当を見つけることです。あとは担当に任せて日常に戻りましょう。

看護師転職サービスのどれが良いかというのは、せいぜい扱う求人数や担当地域を確認するだけで十分です。下記記事の看護師さんは、「ナース人材バンク」で良い担当に巡り合って転職に成功しました。

さいごに

、訪問看護師に転職することがどれだけ有利かどうかは、専門的な指標を分析しなければ理解できませんが、大学でマクロ経済学を学んだ筆者に言わせれば、「今」の次はいつかは見通せません。

景気には残念ながらアップダウンがあります。今後が高齢化社会になるから訪問看護師の需要は増えるでしょうが、働き手の条件が通るかどうかは訪問ステーション側が利用者からお金がいただきやすいかどうかにかかっていますね。

言い方はアレですが、今のお年寄りは平均してお金を持っている世代です。ニーズもありますが、利益も出るのです。しかし10年後、20年後はどうでしょう?

団塊世代は金持ちだと考えていませんか?逃げ切った人はそうかもしれませんが、バブル後の不景気でリストラされた方も多くいます。お金などさほどありません。その後の世代はさらに冷え込んでいます。

つまり将来的には、お金の少ないお年寄り率が増加した超高齢化社会を迎えます。その時、上手くAIやロボットが発達して私たち看護師の代わりになってくれればいいですが、そうではないかもしれません。

そうなったとき、訪問ステーションは対して売上にならないにもかかわらず増え続ける利用者を看護する必要がどうしてもでますが、もしもそうなれば、あなたがこの状態で、好条件な転職することは不可能に近いでしょう。

このような経営状態では、いくら自らのキャリアをアピールしたところで、経営側に賃金の支払能力がないため条件交渉にはなりません。屁理屈をわかった上でも「訪問看護師としては1年生でしょ」と値踏みされるでしょう。

これまでの自らのキャリアをアピールして、良い条件で訪問看護師としてのキャリアをスタートするのにベストなタイミングは「今」なのです。

なお、これは訪問看護師には限りませんが、訪問看護師の転職に関しては、特にそうであると思います。

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