毎年5万人以上の新人看護師が誕生する一方で、妊娠出産や育児その他の理由で退職したままのいわゆる潜在看護師は現在70万人以上と言われております。
潜在看護師の中には
- 再就職したいけど自分の希望条件に見合った職場がなかなか見つからない
- ブランク期間が長くなって現場に戻れるかとても心配
- 育児しながら働きたいけど子供が病気になった時休めるか不安…
という思いを抱いている方も少なくないと思います。
そんな方々に、『看護師免許を持っていること』『臨床経験3~5年以上』という条件を満たせばブランクがあっても働ける期間限定のお仕事「看護実習助手(実習インストラクター)」を紹介しましょう!
かくいう私自身も現在、看護実習助手として働いています。
看護実習助手(実習インストラクター)って?
『臨床実習指導の仕事をしませんか?』
という求人情報を見たことはないでしょうか?
実習指導と言うと、看護学生が臨床実習の時に一緒に実習場に行って指導をする学校教員や、実習場で指導に当たる臨地実習指導者を思い浮かべる方が多いと思います。
教員や臨地実習指導者=正社員
という認識の方がほとんどだと思いますが、学校教員の指示のもとで学生と実習場に赴き学生の指導に当たる
- 看護実習助手
- 実習インストラクター
と言われているお仕事があります。(名称は施設や地域によって違いがあります)
この仕事は学校が直接求人情報を掲載している場合もありますが、派遣会社やハローワーク等の求人情報にも掲載されております。
だいたいの施設が
『看護師免許を持っていること』『臨床経験3~5年以上あること』
という条件を提示しており、実際ブランクがあっても採用されやすいお仕事のひとつです。
看護実習助手の仕事内容
『看護実習助手』の仕事内容は、その名前の通り看護学生の臨地実習指導を行う仕事です。
多くの学生を抱える学校教員は複数の実習場を掛け持ちするため、日々の学生の細かい指導まで手が回りません。
そこで日々の学生の指導や管理を『看護実習助手』と連携することで、複数の実習場を回りながら学生の状況を把握します。
学生の実習と一口に言っても基礎的な事を学ぶ実習から専門領域の実習まで内容は様々ですが、それぞれの実習期間毎に求人を出しているところが多いです。
実習期間中毎日数人の学生と実習場へ行き、学校教員や実習場の指導者と連携して学生の行動や看護展開を毎日チェックし、指導や助言をします。
また実習期間中でも学校でレポート添削をする業務もあります。
実習前にオリエンテーションに参加して学生と顔合わせをしたりするのも業務のひとつです。
学生と一緒に実習場に行きますが、患者とコミュニケーションをとる場面はあっても、直接患者に処置や看護ケアをするのは学生と臨地実習指導者です。
なのでブランクがあっても問題ありません。
看護実習助手のタイムスケジュールの一例
8時30分 |
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12時30分 |
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13時30分 |
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15時 |
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16時 |
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だいたいこのような流れの所が多いかと思います。
この他に週に1~2日程度学校で記録物をまとめたり看護展開をしたりする日が設けられているので、その日は学校での仕事となります。
看護実習助手の条件・報酬は?
免許と経験さえあれば出来るお仕事ですが、学生指導に携わった事があれば尚喜ばれます。
学生の日々の行動計画だけでなく看護展開への指導も入ってくるので、ある程度の復習や自身の経験が浅い分野は予め勉強しておく必要があります。(臨床経験を踏まえた配置をしてくれる施設もありますので、確認してみる価値はあります)
特に母性や小児、精神といった専門領域の指導が出来る人材は少ないので、希少価値は高いです。
基本的に学生の臨地実習期間中のみのお仕事なので期間は1週間から3週間程度ですが、スケジュール的に可能であれば複数の期間でお仕事をすることも可能です。
学生の実習は平日だけなので、土日祝日はお休み。
長期休み期間中も実習はありません。
時間もだいたい8時30分から17時の間の6~7時間程度で設定しているところが多いようです。
基本的に残業はありませんが、多少指導に時間を費やしたりして時間を超過する事はあります。(施設や実習領域によって規定がありますので確認してください)
報酬は施設によって差はありますが、時給1600~2千円前後で他の看護師の仕事に比べると時給は高めに設定されている所が多いです。
白衣は貸し出ししてくれる施設が多いので、持っていなくても問題ありません。
ナースシューズは自前のものを準備する必要があるところも多いので、確認が必要です。
当たり前ですが、身だしなみは看護師時代と同様の清潔さを求められます。(髪はまとめる、ネイルは禁止など)
普段は比較的自由な身なりが出来る学生も実習期間中は厳しい規定を守っていますので、反面教師にならないように。
他には、直接医療現場に赴くので感染症の検査や必要時ワクチン接種をしなければなりません。(施設毎に規則があります)
また、冬季間はインフルエンザの流行に備えてワクチンの予防接種を義務付けている事が多いので、指示に従う必要があります。
看護実習助手のメリット・デメリット
どんな仕事にもメリットデメリットは付きものです。
看護実習助手の場合は…
メリット | デメリット |
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最後に
看護実習助手のお仕事は
- 短期間で集中して効率よくしっかり稼ぎたい
- 自身の看護や育児の経験を活かしたい
- 学生や指導が好き
と思う方におすすめです。
特に育児を経験された方だと昔とはまた違った視点で学生の事を見ることが出来ますので、新たな発見があると思います。
期間中は普段接する機会がほとんどない学生と密接な時間を過ごすので、いろいろな意味で刺激になります。
逆にちょっと…と思う方は
- 子供の急病時対応できるのが自分しかいない
学校の教員がすぐ代われる状況にないことや、学生だけを実習場に残して自分が早退するのは実際問題なかなか難しいと思われますので、この仕事をする際は頼れる家族や友人への根回しが必要だと思います。
もしくはお子さんがもう少し大きくなってからにするか。
実際に定年近い方でもやっている仕事なので、焦る必要はありません。
看護師の働き方も多様化していろいろな仕事がありますが、次世代を担う若い看護学生の育成に協力できるこのお仕事。
ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか?
最後までお付き合いしてくださりありがとうございました。
さらに詳しく看護師のブランク→復職についてケース別に解説した記事を用意しましたので、よろしければこちらも参考にしてみてくださいね。←随時体験談追加中です!