看護師「自己研鑽!?何やそれ」実在する強制的サービス残業の正体

看護師が、病院という組織で働き続けるために、「専門職としての自己研鑽をする姿勢」が求められます。

つまり、研修や勉強会の積極的な参加を求められることが多々あります。

それは業務としてではなく、あくまで「自己研鑽」とみなされているため、業務時間外であっても手当が付かない、サービス残業を余儀なくされていることが多いです。

その自己研鑽に対して不満を抱く看護師もたくさんいます。かくゆう私こそがその代表です。

「サービス残業や休日出勤をしてでも、自己研鑽が当たり前」とされている職場では、上層部も役職者もそういった教育をされてきたため、考えを変えることは困難です。

ですが、そんなブラックな職場ばかりではありません

今の職場が、「自己研鑽という名のサビ残」を半強制される習慣がある!といった看護師さんにはぜひ読んでいただきたい記事です。

看護師は「自己研鑽」として参加させられる時間外での研修が多い!

時計

記録には残らないサービス残業や休日出勤・・・

看護師は専門職ですから、専門性を持った仕事をするための知識や勉強は必要です。

そこで、研修や勉強会には積極的に参加する姿勢が求められます。

ですが、それは時間内に開催することができず、時間外に開催されたり、休日でも「自己研鑽」として参加しなくてはならない風土があります。

その風土に対して「おかしい」と思うスタッフがいても、言い出しにくい雰囲気があります。

自己研鑽」に積極的に参加することが、その病棟の暗黙のルールとして、習慣として、成り立っているからです。

残業・休日出勤扱いではなく、自己研鑽!?

納得いかナース

納得いかナース

例えば、病棟のスタッフが主催する勉強会では、日勤者はもちろん、休みのスタッフでもほぼ強制的に参加することが求められます。

参加しなければ「勉強意欲のないダメな奴」だとレッテルを貼られたり、後から注意を受ける場合があります。

特に、内容が医療事故防止や感染対策だった場合には、何かミスを起こした時には勉強会に出ていないことが理由として、参加しなかったことを責められることもあります。

それなのに、勉強会はあくまでも、病棟側がスタッフに自己研鑽の機会を与えているという扱いのため、時間外手当はつかないことが多いです。

スタッフも「自己研鑽のため」を理由と言い聞かせて、「この組織に属する以上は仕方ない」と考えて、業務後の時間や休日を潰してして、しぶしぶ勉強会に参加することになります。

また、院外の研修に行くように促されるとしても、休日返上での参加で研修費用は自腹で払わせられることもあります。

あくまでも「自己研鑽」の研修参加であるからです。

始業時間前の勤務も自己研鑽!?

早朝勤務

ニワトリより早く起き、コウモリより遅く寝る

そして、始業時間前の勤務も「自己研鑽」として扱われることが多いです。

申し送りを受ける前に自主的に情報収集を行うために、早めに出勤する習慣がある病院

や、始業時間までに掃除や救急カートのチェックが義務付けられていることがあります。

情報収集も含めると、毎日30分以上は始業前勤務時間が存在することもあります。

本来はそういった始業前業務についても労働時間として算定し、時間外手当を支給することとされていますが、実際の看護師の職場ではあくまでも「自己研鑽」ということで時間外手当のつかないことがほとんどです。

看護師は時間外の研修が自己研鑽とされて不満!

こういった、時間外での研修に半強制的に参加させられるのに対し、「自己研鑽」として扱われてしまって、時間外手当が支払われない=サービス残業をすることに対し、不満を述べる看護師は多いです。

実際に、

「仕事が終わらなくても勉強会や病棟会の開始時間に絶対集合させられる。行かないと電話がかかってくる。それだけ拘束力が強いのに、自己研鑽に含まれるため時間外の給料は付かない、と師長より通達があった。信じられない」

「自己研鑽としての研修にどれだけ参加をしているかがステータスとなっている職場風土である。その現状が変化しないのは、他の病院よりも高い給料をもらえているのだから自己研鑽は当たり前だ、と教えられてきたから」

「院外研修の受講を命じられたが、自己研鑽であるため出張ではなく休日返上で行くように言われた。その日は有給をつけてくれているので、仕方なく研修代と交通費は自腹を払って行っている。」

といった経験談が聞かれています。

なぜ、「自己研鑽」が当たり前とされてしまう?

灰色の“自己啓発残業”へ誘う「過剰適応」の罠:日経ビジネスオンライン

灰色の“自己啓発残業”へ誘う「過剰適応」の罠:日経ビジネスオンライン

この記事によると、

病院で働く看護師などの、「ヒューマンサービスの現場には、労働時間だけでは語れない過酷さ」があること。それは、5年ほど前に看護師の方たちに、私が開発したストレスマネジメントプログラムを実践してもらい、その効果を検証する実証研究の中で明らかにされた

と書かれています。

研究の中では、数名の看護師にフォーカスグループインタビューを実施されました。

その中でよく言われていたこととして「仕事量が多いのに加え、時間的切迫度も高い。絶対にミスは許されない」こと。

「それでも、医療技術や使われる薬品も日々更新されるので、休日も勉強する必要がありゆっくり休むことができない」ことが挙げられています。

これらのように、看護師が感じる「職務上の要求の高さ」と「心理的プレッシャー」が、自己研鑽としての残業を当たり前とする習慣づけをしてしまうと言われています。

「自己研鑽」としての時間外業務や研修は手当がつかないのは違法?対策は?

なんで?

なんで?

日本看護協会が行った「時間外勤務、夜勤・交代制勤務等緊急実態調査」(2008年)では、回答者の75.5%が、時間外の院内研修に参加したと回答し、その長さは月平均3.8時間、93%は時間外勤務として申告していないという結果でした。

それを受けて、日本看護協会は「院内研修は可能な限り勤務時間内で実施するのが基本であり、勤務時間外の研修参加は、“業務“か“自己研鑽”のどちらで扱われるのかをあらかじめスタッフに明示すること」を推奨しています。

研修参加を業務とするケース

  1. 例:業務遂行上必要な指示・伝達を含み、組織的に受講が必要な内容である研修
  2. 例:具体的な教育・育成計画に基づき該当者全員に受講させる研修(新採用者研修、入職3年目研修、ラダー研修など)
  3. 例:組織内で特定の職責や役割を担わせる前提で、必要な知識・技術・能力等を備えさせるための研修
  4. 例:安全衛生に関する教育・訓練

といった例にあてはまる研修には、上司が「自己研鑽」ではなく「業務」として参加を指示し、時間外手当の支給をすることが求められています

では、「任意参加」なら自己研鑽とされてしまうのでしょうか。

日本看護協会によると、形式的には「自由参加」の研修でも、参加しないと業務遂行に具体的な支障があったり、個人評価に影響する場合には、実態として「自由参加」とはいえないと言われています。

ちなみに、<自己研鑽とするケース>は以下のようなものです。

自己研鑽とするケース

  1. 例:指示や命令を受けず、主に自らの意思で参加する研修
  2. 例:勤務時間外や院外で行われる研修に、自主的に受講する時

看護職は専門職として常に勉強し、知識を取り入れることが求められています。

その意欲に応えるために、研修機会の提供や、受講時間の確保や経済支援などは病院側が積極的に行うべきとされています。

しかし、業務上の必要性があって受講させる研修と、自己研鑽のための研修が混同されている職場では、ほとんどが自己研鑽としての研修の扱いにされてしまい、サービス残業が発生する要因となっています。

判例からみる看護師の時間外労働認定された自己研鑽

違法でございました・・・

違法でございました・・・

実際に、25歳看護師の過労死裁判で2008年に大阪高裁が時間外労働として認めた業務として

  • 始業前の情報収集
  • 看護計画・退院・転院サマリー
  • 業務上の「研修会」「委員会」「会議」
  • 新人看護師への指導
  • 臨床指導者の実習記録の点検
  • プリセプター業務、看護研究

が挙げられています。

つまり、「自己研鑽」として研修受講をしていた時間や始業前の情報収集は、実際は労働時間として認められるべきものが多いのです。

業務に必要な研修に受講をさせておいて、「自分の勉強だから」といって研修に受講した時間を労働時間と算定せず、時間外手当を支払わないことは違法であることを覚えておきましょう。

そこで、上司から時間外や休日に開催される研修や勉強会への参加を命じられた場合には「業務として、労働時間に算出してもらえるのか」をしっかりと確認した上で参加する姿勢も必要です。

そういう習慣がない病院に転職も考える

スタッフ各々が不満を感じていても、「自己研鑽」が当たり前となっている職場の習慣を変えることは難しいですよね。

それは病棟だけではなく、病院全体の組織の中での教育方法も変える必要があるかもしれません。

ですが、病院によっては「時間外で行われる研修は業務」として一律に扱われるため、選任されたスタッフだけが参加するようマニュアル化されている所もあります。

また、必須の研修は時間内に行われることとして、時間外の研修はあくまで「自己研鑽」であるため強制はせず、任意の参加とされている病院もあります。

院外の研修に、休日や夜勤明けの時間を潰して行くことがあるかもしれませんが、看護協会などの公的機関が行う、実地指導者や管理者向けの研修は、「出張扱い」「業務扱い」で行かせてくれる病院も増えてきています。

そのため、今の職場が「自己研鑽」を重んじる習慣があり、サービス残業が余儀なくされていることに不満がある場合には、上記のような病院に転職することをオススメします。

と言っても、病院内部の職場風土や研修を「自己研鑽」ではなく「業務」として扱っているかといった情報は公式HPに挙がっている情報だけでは把握できないこともありますね。

そこで、転職サービスを活用してみましょう!

転職サービスに登録は無料ですし、自分の希望を挙げることで、専門のコンサルタントから情報を病院内部の情報を聞くことができますよ!

実際に、コンサルタントの知識や、転職サービスが持つ人脈を駆使して転職を成功した例はいくつも存在するのです。ぜひとも、転職サービスを活用を検討してみてはいかがでしょうか?