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看護師のみなさんの中には結婚や出産、自身の病気などの事情で、今は看護の仕事から離れている方もいらっしゃるかと思います。

それでもあんなに苦労して?取得したせっかくの看護師免許…。

このまま活かさないのはもったいない!と感じたり、子供が少し大きくなったり、自身の体調が落ち着いたなどをきっかけに、「また看護師として働きたい!」との思いを抱く方は多いのではないでしょうか。

ただ看護師への復職を考えた時にネックになるのが、何といってもブランクでしょう。

特に妊娠~出産・子育てを理由に、看護の現場を離れていた方であれば、復職を決心したときに既にブランク期間が5年前後になっていることも珍しくありません。

さて、この5年というブランク期間は長いのでしょうか?

「5年もブランクがあったら復職は不利になるのではないか?」、「ブランクが5年あったら、もう新しいことについていけないのでは?」といった様々な不安を感じている方もいることでしょう。

そこで今回はブランク5年での看護師への復職について考え、復職のコツをお伝えしたいと思います!

ブランクで悩む潜在看護師はあなただけじゃない!

あなたは潜在看護師という言葉を聞いた事がありますか?

潜在看護師とは看護師免許を持ちながら、何らかの理由・事情で看護職についていない人のことをいいます。

つまり何らかの理由でブランク期間ができたが看護師としての復職を考えている看護師さんもここに含まれるワケですね。

厚生労働省の推計によると、潜在看護師の数は約71万人!

平成28年に厚生労働省が発表した看護師の就業者数はおよそ115万人といわれますから、この71万人という数字がいかに多いかがわかります。

5年のブランク、何が不安?

プラスに考える

1~2年程度のブランク期間であれば、復職の際に若干の不安があったとしても、看護の現場に戻ることへの抵抗感はそこまで大きくはないでしょう。

ただ、これがブランク5年を超えると少し状況が変わってきます。

日々進歩と変化を遂げる医療現場、5年も経てば自分が働いていた頃に当たり前だったことがそうではなくなっていることが往々にしてあります。

また5年経てば、自身の体力や記憶力も「5年前の自分と同じ」とは行かないことも多いでしょう。

人によっては【看護師の経験年数の長さ<ブランク期間の長さ】となっている場合もあるかも知れません。

ブランク期間中に出産して育児中の人であれば、残業や夜勤は難しく、家に帰って勉強のために割ける時間も短いなど仕事にかけられる時間や生活の中でのウエイトも変化していることが考えられます。

このような状況の中で復職するとなると、以下のような不安を一つずつクリアしていくことが必要になります。

➀技術面の不安
  • 注射や採血をはじめとする看護技術に自信がない
②体力面の不安
  • 勤務についていけるか不安
③知識・記憶力の不安
  • 医療の進歩により、自分の知識が古くなっている
  • 知識自体を忘れている
  • 記憶力が低下する中で、新しいことを覚えられるか不安
④生活面の不安
  • 育児中であれば、子供が最優先になり仕事にかけられる時間に制限や制約がある
  • 家事・育児と両立できるのか不安

次の章からは、これらの不安を軽減・解消するためにどうしたらよいか、実際に考えて行きましょう。

【復職のコツ1】まずは復職したい動機を明らかにしよう!

問題なしさて、復職を決意したら求人探し!といきたいところですが、ちょっと待ってください。

まずは「どうして復職したいのか?」についてじっくり考えてみましょう。

もちろん経済的な理由かもしれませんし、「やっぱり看護の仕事が好きだから」「社会とのつながりを感じたいから」など色々な動機があると思います。

ここで大事なのが復職したい動機を「ぼんやり」ではなく、「じっくり」考えること。

例えば、ざっくり「看護の仕事が好き」といっても、特に成人看護が好きで老年や小児は苦手、○○科は経験もあってイメージがつきやすい、逆に○○科は経験があってもあまり好きではない…などもっと具体的に掘り下げてみるのです。

この時、今の生活状況を重ねて考え「病棟看護が好きだけれど、子供が小さいので残業や夜勤は厳しいな」など、自分の好みやしたいことの視点だけでなく、現実的に「どこまでならできそうか?」の視点も持ちながら考えてみるのがポイント

そうすることで自分が復職して「どんな場所で働きたいか?」「どう働きたいか?」「何を優先したいか?」が見えて復職先を検討しやすくなりますし、履歴書の記入や面接の際もスムーズです。

また復職の動機や理由をじっくり吟味することは、復職後に抱く「想像していたのと違った」「こんなはずじゃなかったのに…」という理想と現実とのギャップを少なくし、ギャップから来る早期離職を防止するのにも役立ちます。

【復職のコツ2】じっくり情報収集!背伸びしない復職先を選ぼう

復職したい動機や理由が明確になったら、次はいよいよ情報収集です。

復職先の求人情報をゲットする手段としては以下のような経路があります。

  • ハローワークや求人情報誌、サイト
  • 日本看護協会の求人情報
  • 看護転職サイト
  • 知人・友人からの紹介

この時に注目して欲しいのが「ブランク可」や「ブランク歓迎」の求人であるかどうか。

ただ表向きは人を集めるためにブランク可と書かれていても、フタを開ければとても忙しい職場でほとんど指導・フォローしてもらうことができなかったというケースもあるので注意が必要です。

ハローワークや一般求人サイトでは、「ブランク可」の求人かどうか?は募集文面から読み取るしかありません。

看護協会や看護転職支援サイトであれば、求人を出している医療機関や施設の情報にも比較的精通していることが多く、現実に即した情報を紹介してもらいやすいメリットがあります。

とくに看護転職支援サイトでは、同じようにブランクを抱えて復職した看護師さんの支援経験も豊富なので、ブランクOKな求人を多く取り扱っていたり、募集文面には掲載されない裏情報を持っていたりすることも。

何より復職について一人で悩むのではなく、コンサルタントと話してみることで、自身の希望がより具体的になったり、自分では気づけていない部分をアドバイスしてもらえたりするので、一度利用してみる価値は十分にありますよ。

子育て中の人であれば、「ブランク可」の他にも「残業の有無」や職場に子育て中の人が多いかなどにも注目してみましょう。

自分の他にも子育て中の人が多い職場であれば、子供の行事や急病で休む際も比較的理解が得られやすいかもしれません。

実際に私の知人で、2人の出産・育児のため約5年間のブランクを経て入院施設を持つ単科の個人病院に外来パートで復職した看護師がいます。

知人は、小学生になった上の子の帰宅に合わせ9時~14時勤務で復職したそうですが、職場には子育て中のママも多いので、子供の行事等の休みも気兼ねなく取りやすい雰囲気なので、今の職場を選んでよかったと言います。

またブランクについても、最初はなかなか注射が入らず苦労したものの、回数を重ねる内に勘を取り戻せたこと、処置や介助自体は決まったものが多いため、他のスタッフにフォローしてもらいながら少しずつ慣れて行けたそうですよ。

ブランク明けでの復職におすすめの職場とは

ブランク明けでも比較的スムーズに復職しやすい職場としては以下のようなものがあります。

クリニック、小規模の個人病院

メリット デメリット
  • 残業が少なく定時で上がれることが多い
  • 大病院に比べると処置などが限られており徐々に慣れることができる
  • 土曜勤務の場合がある
  • クリニックによっては人員的な余裕がなく、子供の急病でも休みにくい場合がある

介護施設、デイサービス

メリット デメリット
  • 医療行為があまりない
  • 病院に比べると体力的負担が少ない
  • 手技面が衰える可能性がある
  • 介護職との協働に悩む場合もある

保育園

メリット デメリット
  • 土日は休みの場合がほとんど
  • 医療行為はないため、ブランクがあっても復帰しやすい
  • 手技面が衰える可能性がある
  • 職場に同じ職種の人がいない/少ないことが多い

訪問看護

メリット デメリット
  • 病院よりも一人立ちまで比較的丁寧にフォローしてもらえる場合が多い
  • 高時給
  • 夜間オンコール当番がある場合、夜間も対応が必要になる
  • 自動車免許を必要とする場合が多い

どの施設にもメリット・デメリットがありますので、自分が何を重視するか、優先するかを考えながら復職先を検討してみましょう。

こちらも参考にしてみてください。

【復職のコツ3】復習で知識面と技術面の不安を軽減しよう!

採血が苦手ブランク期間が5年を超えてしまうと、看護や疾患・薬の知識からもすっかり遠ざかってしまい、復職にあたって不安だという方もいることでしょう。

復職を決めたら、求人探しと同時並行で、看護や検査、疾患などの知識について少しずつ復習してみましょう。

全てを網羅することは難しいので、復職を希望する施設や科の特色に合わせ、優先度の高そうな疾患や看護技術をピックアップして、書き出してみます。

復習の際には自分の使いやすい専門書を用いるのもよいですが、最近は疾患別の看護を復習できる便利なアプリもあります。

アプリだと勉強する場所を選びませんし、隙間時間に流し読みして、気になる点は専門書でじっくり復習することもできます。

復習したことが、必ずしも復職時に即役立つものばかりとは限りませんが、自分の知識を再整理して心に余裕を持つ意味で、復習することは有効です。

また技術面についても、ブランクが5年以上になると注射・採血等の基本的な看護技術も大まかな手順は思い出せても、細かなコツや注意点は記憶が薄れている場合もあるでしょう。

そんな時は各都道府県のナースセンターや病院で不定期に開催されている復職支援講習会に参加してみるのもおすすめです。

講習会は半日~数日間のものまであり、注射・採血、体位交換や輸液ポンプの使い方などの基本的な看護技術や感染予防について講義や演習で学ぶことができます。

病院開催のものでは実際に施設内を見学したり、病棟実習ができたりもします。

自分と同じようにブランクを抱えながら復職を目指す看護師が集まっているので、不安や悩みを共有でき、励みにもなることでしょう。

まとめ

ブランク5年での看護師への復職についてお送りしましたが、いかがでしたか?

ブランクが5年、もしくはそれ以上になると知識・技術・体力面などで様々な衰えや不安を感じるのは当然のことだと思います。

でもまず復職するにあたり、一番大切なのはあなたが「看護師として働きたい!」と思う意志です。

その意志が固ければ、もし多少の困難があったとしても乗り越えて行くことができるでしょう。

それに、あなたがブランク期間に経験した育児や介護、ご自身の病気などは看護の仕事をする上で無駄になることは一つもありません。

復職直後は業務に慣れることやついて行くことに必死であっても、いつかあなたの看護に彩りを添えてくれる貴重な人生経験です。

また今の生活スタイルとの両立を考えて、勤務条件・環境面で自分が無理や背伸びをしなくても続けることが可能な復職先を選ぶことも重要です。

一人で悩むのではなく、色々な人の意見や転職支援サービスなども活用しながら、あなたが納得できる復職先を探してみてくださいね。

さらに詳しく看護師のブランク→復職についてケース別に解説した記事を用意しましたので、よろしければこちらも参考にしてみてくださいね。←随時体験談追加中です!