外来看護師と言っても、数えきれないだけの病院やクリニックがありますし、働きたくてもどの診療科で働けば良いのか全くイメージが付かない…という看護師の方もいるのではないでしょうか。
その中から自分が働きたい職場を見つけるのは簡単な話ではないですし、診療科によって外来での仕事内容や勤務形態も大きく異なるため、自分でも勤まるのか不安になる事もありますよね。
そこで外来看護師として働く場合、どのように自分に合った職場を見つけるのかが就職・転職のカギとなるのではないかと思いました。
今となっては良い経験だと思えますが、私は過去に1度転職に失敗しているので私のような看護師が増えないようにしたいと思いながら、就職・転職に失敗しないためのポイントをまとめていきますね♪
診療科別の外来の特徴について
外来で働きたいと思った時に、まず最初に思い浮かぶのは内科でしょうか?
内科以外にも様々な診療科があるので、全ての外来を紹介する事はできませんが、メジャーな外来の特徴を中心に簡単に紹介します。
内科
一般的な内科系疾患を中心に診察を行います。取り扱う疾患数で言うと一番多いと言っても良いのではないでしょうか。
内科で働くと、看護師としての基本的なスキルが身に付きますし、逆を言ってしまうと基本的なスキルがあれば働いてすぐ即戦力になれるかも知れません。
整形外科
主に首から下が診察範囲となります。
骨折はもちろん、関節痛や腰痛などの痛みに対する診療も行います。
クリニックによっては簡単なオペや創傷など幅広い処置を行っているところもあります。
脳神経外科
主に脳・頭部の診察を行いますが、生活習慣病と密接な関係の診療科と言えるため、内科などの診療科と併設している脳神経外科もあります。
1分1秒を争うような直接命に関わる急変もあり、その対応も求められるため比較的高度な知識やスキルが求められます。
逆を言うと、脳神経外科に勤めた後は比較的どんな外来でも勤まるケースが多いようです。
小児科
公式な年齢制限はありませんが、一般的には15歳までの子供を対象として診察を行う外来が多いようです。
小児が罹りやすい疾患から遺伝性の疾患まで範囲は幅広いですし、大人と違って症状が進行・改善しやすいのも小児科の特徴です。
小児というだけで内科や整形などの疾患も対応する事が多いですし、オーダーが入らない子供やその両親に対するコミュニケーション能力も求められます。
眼科
目の病気を中心に取り扱う診療科で、外来でも簡単な手術を行っている場合もあります。
最近ではコンタクト・眼鏡専用の眼科外来などもありますし、レーシックなどの視力回復のための治療を中心に行っている外来もあります。
耳鼻科(耳鼻咽喉科)
耳と鼻は繋がっているので、耳と鼻に関する疾患を対象としていますが、中耳炎などで小児も受診する場合があるため、患者の年齢層は幅広いと言えます。
泌尿器科
主に腎臓を中心とした診察が多くなるかと思いますが、排尿障害や腎盂腎炎など様々な疾患があり、必要に応じてバルーン留置など看護師が行う処置もあります。
皮膚科
皮膚疾患を主に診察していますが、アレルギーや熱傷、鶏眼など意外と幅広い印象を働いてから持つ看護師も少なくありません。
診療科別に簡単に説明してきましたが、単科の外来(クリニック)と大きい病院の中にある外来でも仕事内容や勤務形態、継続看護などの面で違いがあります。
さらにそれぞれの診療科の中でも専門性に特化した専門外来を設けているところもあります。
いくつか例を挙げると、単科の外来で手術が必要と判断された場合は、設備が整った大きな病院に紹介するのが一般的です。
ですが、大きな病院の外来の場合はカルテなどである程度の情報共有がすぐにできるためそのまま手術室へ行く事も可能ですよね。
また、大きな病院は上からの指示によって人事異動があるケースがありますが、単科の外来は辞職などの人事の入れ替わりはあっても職員の異動は少ないです。
勤務も夜勤がある場合とない場合があるので、外来と言っても働き出す前から勤務内容などの詳細を確認しておくに越した事はないでしょう。
おすすめはやっぱり内科外来?
独断と偏見なのは承知ですが、外来で働くとしたら私がオススメしたいのは内科外来です!
内科外来と言っても、外来で行う医療行為や処置などはそれぞれの外来によって大きく異なるかと思いますが、どこの内科外来でも共通して言える事は看護師としての基本的なスキルが身に付く事だと思います。
内科外来で身に付く基本的なスキルを具体的に挙げると以下の通りです。
採血
採血は内科だけでなく、どの診療科でも通用するスキルと言えます。
他の診療科でも採血のスキルは身に付くかと思いますが、内科外来が一番採血する機会が多いと私は感じました。
ちなみに私が働いていた内科のクリニックでは、1日に60~80人ほどの採血をしていたので自然と採血に対する自信がつきます。
ルートキープ(点滴)
ルートキープは採血と違う血管を狙って刺しますよね。
採血同様ルートキープも他の診療科で通用するスキルだと思います。
同時に点滴に混注する薬剤に対する知識も身に付くはずです。
アセスメント
内科系の疾患はアセスメントが必要な目に見えない疾患が多いため、働くだけで自然とアセスメント能力が身に付きます。
コミュニケーション能力
内科を受診する患者は継続して受診するケースが多いので、患者と顔見知りになるだけでなく検査説明などをする機会も多いと思いためコミュニケーション能力も培われるはずです。
基本的なスキルもそうですが、他の診療科に比べて病院数が多いのも内科の特徴だと思います。
病院数が多いという事は、その分就職先としての選択肢が広がりますし、自分の希望に見合った職場を探しやすいという事ですよね。
また、万が一次に転職する事を考えると「内科で働いていた」と言うと「最低限の知識があって医療行為も問題ないのかな?」といった印象を持たれる事が多いと思います。
ですが「精神科から来ました」と言うと「医療行為できる?」みたいな印象を持たれ兼ねませんよね。
誤解を招かないようにしたいので説明しますが、精神科が悪いと言っている訳ではありませんし、精神科が医療行為を行わないと言っている訳でもありません。
ですが、内科と比較すると内科の方がどうしても一般外来に通用する業務が多いというのは否定できないと思います。
もちろん、経験やスキルによって働いてから印象も変わると思いますので、参考程度にしておいて下さい。
急いで就職(転職)を決める前に…自分の状況や目的に応じて働く診療科を決めよう!
外来看護師として働きたいと思った時に内科外来が私的にオススメだとお話してきましたが、自分の現状によって内科外来よりも合っていると感じる他の診療科もあって当然です。
例えばブランク明けや育休・産休明けなどで夜勤がしたくない、できないという状況も考えられますし、残業がなく毎日定時で帰りたい、パートタイムで働きたいなどの最低限の自分の希望もありますよね。
もちろん、働きたいと思える診療科で働く事が長く働くためにも大切だと思いますが、同じくらい大切なのは【職場環境】だと思います。
自分と同じような環境で働いている看護師(スタッフ)が多い場合は、休みが取りやすい・希望を伝えやすいなどのメリットがあります。
ですが、自分の状況に対する理解が薄い職場に就職してしまうと、働いてから肩身の狭い思いをする事にもなり兼ねません。
「外来はどこも同じ」と考えている人も多いかも知れませんが、働く職場によって環境は全く違うため、事前に仕事内容や勤務形態を確認する際に現在働いているスタッフの年齢層なども確認しておくと安心かと思います。
ざっくりですが、私が新人看護師として働いていた頃に先輩看護師に言われた言葉が印象に残っているので、ここでそのまま伝えたいと思います。
「夜勤は何歳になってもできるけど、体力的にどんどん辛くなってくるから、無理をしない事が大切。外来で働くなら若いうちは少し大変な(忙しい)ところで働きなさい。年を取ると変な知識や経験が邪魔して新しい事を吸収できなくなってくるから。若い頃大変な思いをしておくと年をとっても通用する働き方ができるからね。」
と言っていました。
また「老人保健施設みたいな施設勤務は年齢制限なく働けるところが多いけど、外来はもちろん大きな病院は年齢制限があるところもあるから、施設で働くのは焦らない方が良いと思うよ。」とも言っていました。
外来で働く上で【外来で働きながらもスキルアップしたいか】【今までの経験を活かして外来で働きたいか】が今後の看護師人生に影響しますし、履歴書の内容も左右すると思います。
無理して働き続けるくらいなら転職した方が自分のためになる事もありますが、せっかく外来で働くからには毎日違う患者と関わり、毎日の業務も充実させたいのはみんな同じですよね。
そのためには焦って就職先を決めるのではなく、自分の希望する条件に見合った求人と巡り会うまでゆっくり検討する事が大切と言えます^^
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