看護師のブランク20年!復帰できる?現場で変わったこととは?

看護師ゴシップ記事
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子育ても一段落、また看護師として働いてみようかな?

という40代~50代の看護師さんは多いと思います。

新卒で20代の数年間、看護師として病院勤務し、結婚出産を機に仕事を辞めた。

そんな看護師さんは、20年近くのブランクがある方も少なくないでしょう。

20年のブランクを経て、また看護師として働きたい!
現場復帰したいけど怖い!

不安な気持ちがぬぐえず、躊躇する気持ちがあると思います。

この記事では、そんな看護師さんを応援します。

看護の現場、20年で変わったことをまとめ形式で紹介していきます。

オーダリングシステム、電子カルテにビックリ

ほとんどの病院、クリニックでは電子化が進んでいます。

最近では、介護系施設の介護記録も電子化されていて驚かされます。

20年前は、診療録はもちろん、看護記録も手書きの紙カルテが当たり前でした。

病棟詰所にはパソコンなどありません。

医事課に数台大きなパソコンがあり、レセプト算定担当者が使用するだけだったと思います。

現在では、オーダリング(検査指示、投薬指示、食事箋、運動療法指示など)、カルテ記載は全てパソコン操作で行う施設が多いのです。

レントゲンなどの画像診断もフィルムレスでパソコンに取り込まれています。

ブランク20年の看護師さんが戸惑うのは、これらのパソコン操作です。

仕事自体を覚えるのが大変な上、パソコン操作もマスターしなければならないのですから。

「注射指示を確認するには、電子カルテのここを開いて・・・」とか「過去の診療情報は、ここを開いて・・・」といった説明に、頭がこんがらがりそうになります。

ワードでの文字打ち込み自体に慣れていない人は、看護記録作成も時間がかかってしまいます。

もう退院?入院期間の短さにビックリ

20年前、入院患者さんの退院日は、当然主治医が決定するものでした。

「現在、入院期間と退院日は、入院前から決まっている」と言うと驚かれるでしょうか。

重篤な状態、治療日数が想定できない患者さんは、この限りではありません。

クリティカルパスという治療計画に沿って、入院中の検査予定・治療内容などの日程が決まっている患者さんが多くなっているのです

例えば、

  • 糖尿病のインスリン導入
  • 経皮的冠動脈形成術(PTCA)
  • 経尿道的尿管結石破砕術(TUL)
  • 心臓ペースメーカー植え込み術・本体交換術
  • 鼠経ヘルニア根治術
  • 眼科系手術

他にもたくさんあります。

クリティカルパス導入の目的は「医療の標準化」と「医療安全の推進」です。

同じ治療を受けた患者さん、A先生は4日で退院指示を出した、B先生はいろんな検査を追加して14日間入院した。

クリティカルパスは、このようなばらつきを少なくし、更に検査漏れや、過剰医療を防止する効果があります。

MRSAだけじゃない、薬剤耐性菌の増加にビックリ

最も有名な薬剤耐性菌はMRSAです。

20年間ブランクがある看護師さんは、MRSA以外の耐性菌をご存じないかもしれません。

当然です。

その当時、MRSA以外の薬剤耐性菌は、臨床現場で問題になることがほとんどなかったからです。

現在、臨床現場で問題になる多剤耐性菌は大変増えています。

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、現在でも院内感染の原因菌として、発生しています。

耐性菌が出現しない、と言われていたバンコマイシンの耐性菌が出現しました。

それがVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)です。

ほとんどの抗生物質に耐性を持つ、MDRP(多剤耐性緑膿菌)や多剤耐性アシネトバクターも発生しています。

ESBL産生菌(基質特異性拡張型ベータラクタマーゼという物質を産生する菌)や、CRE(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌)という耐性菌も問題になっています。

薬剤耐性菌・院内感染=MRSAという常識は通用しないのが、現在の医療現場です。現在では、在宅医療や施設入所の患者さんも、多剤耐性菌が検出されるケースが増えています。

看護師が、介護士さんやご家族に感染防止策を指導する必要性も増しています。

各施設の感染対策マニュアルをしっかり読んで、薬剤耐性菌についての知識を備える必要がありそうです

心肺蘇生法の進化にビックリ

外国人患者さんのイメージ医療は日々進歩しています。

20年経過すると、ガイドライン(指針)そのものがガラッと変わっていることもあります。

心肺蘇生法のガイドラインは、20年前と変わっています。

20年前、呼吸停止している患者さんを発見した時、どんな風に動いたか覚えていますか?急いで主治医・当直医を呼ぶ?酸素を準備する?20年前は、そもそも明確な心肺蘇生ガイドラインが無かったような気がします。

心肺蘇生法が提唱されて約50年間、心肺蘇生の手順は、A(気道確保)・B(人工呼吸)・C(心臓マッサージ)と教えられてきました。

現在では、AHAガイドライン2015(G2015)で、その順序は変わっています。

C・A・Bの順です。詳しくは下記を参考に!

心臓マッサージによる、脳への血液供給が心肺蘇生の最優先、ということです。

また、心臓マッサージは、胸骨圧迫という名称に変更されています。

エビデンス(医学的根拠)の蓄積によって、ガイドラインが変更されている治療は他にもあります。

つまり、20年間で医療・看護方法は進歩しているということです!

介護保険制度、医療保険制度の変化にビックリ

介護施設の勤務イメージ

20年前には無かったもの、それは介護保険法です。

ケアマネージャーという仕事ももちろんありませんでした。

ご家族に介護が必要な方がいらっしゃる場合、担当ケアマネージャーや訪問看護師と話す機会もあるでしょう。

しかし、それ以外の方は、医療保険と介護保険の関係性、介護保険の仕組みよく分からないことはほとんどです。

病院・診療所・訪問看護・介護系施設で看護師業務を行う上で、介護保険に関する知識は必須です。

急性期病棟や救急外来は関係ない、と思われるかも知れませんが、そんなことはありません。

患者さんを受け入れる上で、要介護度・介護状況を把握しておくことが、早期退院や病診連携の基本になります。

20年前は「一般病棟」「老人病棟」「慢性期病棟」といった名称の病棟がありました。

現在、医療保険制度改革、介護保険制度の導入によって、長期入院病棟は廃止されています。

「地域包括センター」「要介護区分変更」「福祉用具貸与」「要介護度ごとのデイケア制限日数」等々。

介護保険に関する用語が飛び交う現場で、少しずつ介護保険の制度を勉強していきましょう。

糖尿病治療薬の進歩にビックリ

20年前、内分泌疾患の病棟に勤務していた、糖尿病患者さんに関わっていた、という看護師さん。

糖尿病治療も20年前から大きく進歩しています。

まずは、薬剤を覚えるのが大変です。

現在では、血中の糖分を尿として排出する(腎臓での糖再吸収を抑制する)内服薬が発売されています。

このように、20年前には考えられなかった作用機序を持つ薬剤がたくさん出ているのです。

注射は、持続性GLP-1受容体作動薬という1週間に一回投与の薬剤も開発されています。

インスリンを打って血糖値を下げる、という常識にとらわれてはいけないようです。

糖尿病治療は学びなおしが必要かもしれません。

20年のブランクは長い?復帰が不安な看護師さんへ

20年で変わってきた事について書いてきました。

20年のブランクは確かに長いと思います。

看護師として、学びなおさなければならないことはかなりあると思います。

20年もブランクがあったら、新人看護師と同じじゃないの?と不安に思われ、復帰をためらわれる方もいるでしょう。

現場は、ブランクのある看護師さんを求めています。

看護の現場にぜひ帰ってきて欲しいのです。

治療ガイドラインが変わって、新薬が発売されたとしても、現役時代に培った病気の知識は活かせます。

解剖生理に関する知識は絶対必要ですし、過去に学んだ内容は変わることがありません。

現場は常に人手不足に苦しんでいます。

20年ぶりに看護師として働きたい!その気持ちを持っている限り、現場復帰は可能です。

20年のブランク、おススメの職場は

20年のブランクがあって、看護師復帰する場合はどんな職場が良いか悩みますね。

療養型病棟(高齢、慢性期の患者さんが中心)、一般外来、デイサービスがおススメの職場と言えるでしょう。

手術室、救急外来、放射線科等の特殊系は、学びなおしが大変で、しかも体力勝負の現場なのであまりおすすめできません。

特別養護老人ホームは「介護が中心で働きやすそう」なイメージを持たれますが、20年ブランクがある看護師さんにはキツいかもしれません。

その理由は2点あります。

  1. 利用者さん100人に対し常勤看護師3人、という少ない人員配置で既卒新人教育がしにくい現場が多い事
  2. 医師が常駐していないため、救急搬送の必要性、病院との受診調整など、熟練した判断を求められるケースが多い事

特別養護老人ホーム・老人保健施設などは、20年前の老人ホームとは大きく事情が異なっています

お仕事探しの際は、十分注意しましょう。

さいごに

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

20年間のブランクがある看護師さん、現場復帰したい気持ちが少しでもあれば、ぜひチャレンジして頂きたいと思います。

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