白衣の天使と呼ばれ、弱っている患者様の看病をする素敵な職業、看護師。
しかし現実世界では、看護師は他職種と比較して離職率が非常に高いことで有名です。
看護師の仕事は昔から「3K(きつい・汚い・危険)」と呼ばれており、それに加えて過酷な現場や女性ばかりの人間関係から、精神障害を発症する看護師が少なくありません。
特に新人看護師は、慣れない仕事や不規則な生活リズムで体調を崩しがちです。
- 「看護師の仕事って、私が思っていたのと違う・・・。」
- 「もしかして私ってうつ?」
- 「あーこれいつかうつになっちゃうわ。」
そんな気持ちが消えず、モヤモヤを抱えながらも気付けば今日も職場へ来てしまった・・・。そんな新人看護師が多いのも事実です。
そう思っている新人看護師が、これからどのようして仕事をこなしていけば良いのか、あるいは向いてないから辞めるのか、一緒に考えていきましょう。
うつになるほど辛い、新人看護師の試練
新人というのは誰もが通る、辛い道。しかも看護師の新人は一般の社会人とは少し違います。
ほとんどが現場仕事で、夜勤があるという不規則な生活、国家試験を通過しているので大体の知識は頭に入っているという前提ですが、学校で教わった知識や、受験のために得た知識は本当に基礎にすぎないので、専門的な知識は一からのスタートとなります。
それも、ほとんどがやったことのない手技ばかりで、最初の勤務のほとんどは先輩の後ろをついてひたすらメモを取りまくります。
しかし、実際の現場では患者様の目の前でメモ帳を広げるわけにもいかないため、仕事が終わってから寝るまでの間にメモを全部丸暗記することになります。
それができていなければ怖い先輩からお叱りを受け、その上女性ばかりの特殊な人間関係にぐったりすることも・・・。
少し環境に慣れてきたとおもったら、その頃から残業が始まり夜勤もスタートします。
そして、時間が経つにつれて、
- なんか自分がやりたかった仕事と違う。
- 自分がやっていることは私が目指していた看護ではない(理想と違う)
という気持ちが芽生え、どんどんやる気がなくなっていってしまう・・・。
これぞまさに新人看護師の負のサイクルではないでしょうか。
私もしかしてうつっぽい?うつってどんな症状?
そんな辛い新人の日々を積み重ねていくにつれて、少しずつ仕事に行きたくなくなっていき、不眠や食欲不振などの体調不良があらわれる場合があります。
その他にも、休日を家で過ごしがちになったり、起床時の倦怠感や頭痛なども症状の一つです。
仕事が終わってからも仕事のことしか考えられなくなってしまったり、自分のプライベートな時間をもつ気力さえもなくなってしまうと要注意です。
私も看護師1年目の頃に同じような経験をした
家に帰ってもナースコールの音が頭に鳴り響いて離れなかったり、その日に起こしてしまったミスや、患者様からのクレームのことを考えて一晩中眠れなかった日がありました。
そんな日を過ごすにつれ、「早く辞めたい。」が口癖になり、どうやったら今の職場を一日でも早く辞めることができるのかひたすら考えていました。
同僚で最もひどかった人は、毎朝着替えてロッカールームを出る直前に何度も過呼吸になっていました。
看護師という仕事は目の前で人を看取るという、普通の人では経験することのない、そして今までほとんど経験してこなかったことを何度も経験します。
そして「人の死になれなくちゃいけない。」「こんなことで下を向いていたら看護師失格だ。」と自分自身で看護師としての仕事のハードルを上げてしまいます。
そんな日々を過ごしていては、本当にうつになってしまいます。
患者様を看病しなくてはならない看護師が病気になってしまっては本末転倒です。
この辛さ、一体どうやったら乗り越えられる?!
ただ、一つだけ覚えておいでください。
しんどいのはあなただけではありません。
新人看護師は、みんなしんどいのです。
だからこそ、一緒に闘っている仲間と同じ悩みについて話すのが一番の解決策になります。
特に、同部署の同期は同じ苦しみを抱えている場合が多いです。
課題や人間関係などがお互いの共通であることから、会話がスムーズに進むでしょう。

「私の屍を乗り越えていけ!」「隊長!!」
同部署の同期は、言わば戦友なのです。
同期以外にも、同じ看護学校を卒業した友達に相談するのも一つです。
数年間の辛い看護実習を乗り越えた友達だからこそ、何でも暴露することができます。
そして、相手も同じく看護師として勤務していることが多いので、共通の話題で盛り上がることができるでしょう。
そして、同じ悩みを抱えている友人の話を聞くことで、「友達も辛い思いをしているんだ。」「辛いのは自分だけではないかもしれない。」と再認識することができます。
リフレッシュできる何かを見つけることが大切
学生時代に夢中になっていたことはありませんか?
スポーツや音楽など、何でも良いので自分自身に没頭できる時間を作るように心がけてください。
新人の頃はどうしても「あの課題しなくちゃ。」「明日先輩のチェックがあるからあの手技の復習しなくちゃ。」と、帰宅してからも仕事のことで頭がいっぱいになってしまいます。
しかし、心の余裕がなければ身体もリフレッシュすることができません。
体調不良が続いていては良い看護を提供することもできません。
休日は美容院を予約してみたり、好きな音楽を聴いてみたり、少し仕事から離れる時間を意図して作ってください。
できるだけ規則正しい生活を
そして最も大事なことは、規則正しい生活をすることです。
看護師は不規則な仕事であり、残業も非常に多いため、生活リズムの乱れにより不眠になる人が多いです。
食事をとる時間や睡眠時間など、日々の生活リズムを少し見つめなおして整えていくよう心掛けてください。
新人看護師みんな辛い1年目、つらさをみんなで共有しよう!

飲みナース
そんなことを言っている私は、生活リズムがバラバラでよく不眠に陥っていました。
だからいって生活リズムを整えることもせず、看護師1年目の頃は体調の悪い日々が続いていました。
でも、仕事を休むこともできず、シャキッとしないまま仕事へ向かい、しんどいと思いつつ日々仕事をこなしていました。
ある日、同じ部署の同期全員の休みが同じ日があったため、みんなで飲みに行きました。
そして、みんなで仕事のことを話しました。
上手くいかない手技のこと、課題のこと、怖い先輩のこと・・・自分が悩んでいることを他のメンバーも悩んでいて、その日はみんなで愚痴を語り明かしました。
その日の晩、ビックリするぐらいよく眠れたのを今でも覚えています。
体調不良の原因は、生活リズムの乱れだけでなく精神的なものもあると再認識した瞬間でした。
それまで私も「もしかしたらうつかも・・・」と思っていましたし、そうだったかもしれませんが、それ以上に心にかかっていた霧が晴れ、何かがスッキリした感覚。
これが何かはわからないのですが、今思えばもしこの時ひとりで思いつめ悩み続けていただどうなっていたかはわからなかったと思います。
うまいことリフレッシュしよう!(まとめ)
あまり知らない環境で過酷な現場を1日に何時間も過ごすことは、とても辛く苦しいことです。
しかし、一人前の看護師になるためには、一年目の辛い時期は誰もが通る道です。
辛い時、深呼吸をして、しんどいのは自分だけではない、みんなしんどいんだ、みんな頑張っているから自分も頑張ってみよう、と一息ついてみてください。
「看護師だから、このくらいは当たり前。」は自分の体調不良を忘れさせる魔法の言葉です。
弱った患者様を看病するには、看護師としての素敵な笑顔が必要です。
それでも体調不良が続く時は、ためらわずに受診しましょう。(本当にうつかも!?)
心身共に全力で患者様の看護ができるように、自分なりのリフレッシュの方法を探してみてくださいね。
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