ナースの本音、あるある、病院裏話を(うっかり)暴露しちゃうぜ

難易度アップ!?看護師国家試験

2017年2月19日に行われた「第106回・看護師国家試験」に対して、受験生から批判が殺到しています。これまでの試験では、過去問などから出題傾向を予測することができましたが、今年の試験ではそれが通用しなくなっていたようです。
今回のコラムは、2017年度の看護師国家試験について、試験前と試験後の考察をしていきます。

厚生労働省から告知されていた出題範囲からの考察

受験勉強する看護師のイメージ
試験開始前から厚生労働省が発表していた看護師国家試験の出題範囲は以下のようになっています。

  • 人体の構造と機能
  • 疾病の成り立ちと回復の促進
  • 健康支援と社会保障制度
  • 基礎看護学
  • 成人看護学
  • 老年看護学
  • 小児看護学
  • 母性看護学
  • 精神看護学
  • 在宅看護論及び看護の統合と実践(※1)

※1
今年の試験から「看護の統合と実践」について看護師国家試験の出題を強化する、と厚生労働省からも発表がありました。

看護師国家試験出題基準の「看護の統合と実践」については、科目の趣旨に照らして、国家試験においてどこまで問うことが可能かということも踏まえ、既存の出題基準項目の「看護におけるマネジメント」、「災害と看護」及び「国際化と看護」以外に、複数科目の知識を統合する能力を問うような出題や、多重課題や集団へのアプローチに必要な広い知識を統合する能力を問うような出題などに向けた出題基準を明示することなど、抜本的な改善が必要である

こういった点から出題傾向を予測することもできますが“まずは過去問を解く!”というのが受験勉強のセオリーであり、これまでの試験も過去問から出題傾向が予測できるものでした。

ふたを開けたら難易度アップしていた看護師国家試験

事前の告知でも「看護の統合と実践」が重要視される、といった情報はありましたが、それでも予想以上に出題の難易度が上がっていたようです。
試験を終えた瞬間から、TwitterなどのSNSで次々と試験に苦戦を強いられた受験生が書き込みをしています。

  • 問題用紙を1枚めくって青ざめた・・・
  • めっちゃ難しいやん!
  • 終わったときの絶望感は一生忘れない
  • _:(´°ω°`」 ∠):_
  • 過去最高の難易度だった

…などなど、試験の難易度が高かったことを見て取れるコメントで溢れかえり、中には「くたばれ厚労省」といった厚生労働省に対しての不満を爆発させたような批判の声も見られました。

これに対し、厚生労働省は「難しくしたわけではない」と釈明したことにより、それを聞いた今年の受験生たちは「そんなはずない!」と、さらなる火種になってしまっているようです。
実際に試験を受けた人たちが「難しかった」と感じているのに、なぜこのような事態が起きているのでしょうか…。そう思って調べてみたところ、3つの要因が影響しているであろうことが分かりました。

2018年の医療業界の改革による影響か?

来年度から、新療報酬・介護報酬の改定、介護保険事業計画、介護給付適正計画、医療計画、医療費適正化計画、など様々な施策を見直す大改革を検討されています。
今回の看護師国家試験の難易度が上がった背景には、この改革に向けての「予行演習」として出題されたのではないかという意見もあります。

医道審議会保健師助産師看護師分科会の影響か?

厚生労働省の「医道審議会保健師助産師看護師分科会」が昨年の2月に発表した報告書によると、2018年の看護師国家試験から「思考や判断プロセスを問うような問題を積極的に出題することが望ましい」としており、この報告書が強く影響して(お試しのような形で…)今年の出題が難しくなったものと見られています。

今年の出題だけが極端に難しかったのか?

「20年に一度の難しさ」と批判されていますが…出題が難しくなったのは今年に限った話ではなく、前々回の試験から徐々に難しくなっているという声もあります。また、厚生省からは「受験の心得となる長い状況文」を出題すると試験前に告知しており、実際に今回も問題文が長くなっていました。国語力を問う問題が増えています。

看護師国家試験の過去の合格率について

必勝祈願のだるま
厚生省が否定していても、前述した3つの要因や、実際に受験した人が難しくなったと感じている以上、難しくなっていることは明らかと思われる看護師国家試験ですが、果たしてどれだけの人が今年の試験に合格できるのでしょうか?
参考に、過去の合格率の統計を確認してみましょう。

年度 受験生数 合格者数 合格率
2016年 62,154人 55,585人 89.40%
2015年 60,947人 54,871人 90.00%
2014年 58,891人 52,900人 89.80%
2013年 56,530人 50,224人 88.80%
2012年 53,702人 48,400人 90.10%

2012年~2016年までの平均合格率は「89.62%」となります。
今年は例年よりも遥かに難易度が高くなったことを考えると、80%を下回ってしまうのでしょうか?

しかし、現場での看護師不足もありますし、来年の改革に向けた「予行演習」としての出題だったと見る意見も多く、厚生労働省は今年の試験の合格点を下げるのではないかという観測も広がっています。

「思っていたほど問題が解けなかった…」と嘆いている人も、まだ諦めることなく合格発表の日を待ちましょう!

2017年度「第106回・看護師国家試験」合格発表日

平成29年(2017年) 3月 27日 14:00
「看護師」「保健師」「助産師」各試験すべて共通

まとめ

今年の看護師国家試験を終えた学生の皆さん本当にお疲れ様でした。例年よりも出題の難易度が上がったことで肩を落としている方も多いかと存じますが、医療の改革に向けての出題だったという意見もありますので、この国の医療が良い方向へ進むためと思えば仕方がないことなのかもしれません…。また、もしも今年は駄目だったとしても、来年には出題傾向も固まっていると思いますので、あきらめずに来年も看護師国家試験に挑戦していきましょう!

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