「夜勤専従」は「高給与」とよく耳にしますが、その分大変そうなイメージの方が強いですよね。
でも実際は、「高給与」だけじゃなく、たくさんのメリットがあるのはご存知でしょうか?
もしかすると、あなたには夜勤専従看護師としての働き方が合っているかもしれないのです!
ここでは、夜勤専従経験者が、夜勤専従のメリットを暴露していきます。
日勤夜勤の繰り返しは疲れるし体力も限界、もっとがっつり稼げてしかも昼間の時間は有効活用したい!そんな看護師さん必見の記事です。
夜勤専従看護師とは?
夜勤専従看護師とは文字通り、2交代もしくは3交代の夜勤帯だけを行う看護師のことです。
一般的な日勤と夜勤のミックスされたシフトではなく、夜勤のみのシフトとなり、昼間に眠り夜働くという昼夜逆転の生活をしています。
生活リズムは安定していて、しかも夜勤手当(2交代の場合プラス残業もガッツリ)もらえるため短時間で効率よく稼ぐことができるのです。
どんな人が夜勤専従を選ぶ?
基本的には、日中に好きなことをしたいという人が夜勤専従看護師になっているケースが多いです。
例えば、日中に家事をしたいという主婦・ママさんナースや、何か資格を取るために日中に勉強をしたいという個人的な目標があるナースは、空いた時間(夜間)にお金を稼ぐために夜勤専従をしています。
夜勤専従看護師の2つの働き方
夜勤専従には常勤と非常勤の2つの働き方があります。
常勤の夜勤専従って?
病院と雇用関係をきちんと結び、毎月決まった基本給+手当などが支給される雇用形態です。
社会保険や福利厚生が保障されており、ボーナスや退職金も支給されます。
ただし、夜勤が月144時間を超えないようにシフトを調整されている場合が多いです。
給料形態にも違いがあります。
常勤では、基本給とは別に、定額の「夜勤手当」がつき、22時~5時の間に勤務した場合、対象給与額の25%相当の割増賃金を上乗せ支給されます。(労働基準法の定めにより)
これが適用され給料が増えるのは基本的に常勤であり、非常勤は下記で述べる通り「夜勤手当」はありません。
非常勤の夜勤専従って?
基本的に時間給で働くアルバイトの雇用形態のことです。
一般職のアルバイトとは異なり、非常勤の夜勤専従の場合は、1回の夜勤で〇万円というように設定されていることが多いため回数に応じて給料が変動します。
また、1箇所の病院だけでなく、複数の病院で働くことも可能ですので、働けば働くほど収入は上がります。
ただし、社会保険や福利厚生は保障されておらず、ボーナスや退職金は支給されません。
夜勤専従はやっぱり高給与?
こちらも常勤と非常勤で異なりますので、別々に解説したいと思います。
常勤2交代の場合
1回の夜勤手当は日勤+夜勤をしている常勤ナースと違いはなく、1回1万円前後が相場です。
しかし、夜勤回数は2倍となるため月8~10回の夜勤をこなすことになります。
例えば、夜勤回数が10回/月の場合、総支給額は基本給20万円+夜勤手当10万円+その他手当5万円=35万円/月、手取りですと約30万円/月くらいになります。
さらに年2回のボーナス(80~100万円/年)が付くと、年収500万円前後となります。
こうしてみると、夜勤回数が多い分、日勤+夜勤をしているナースよりも高給与となることがわかります。
常勤3交代の場合
こちらも1回の夜勤手当は日勤+夜勤をしている常勤ナースと違いはなく、準夜1回4~5千円、深夜5~6千円が相場です。
例えば1か月に準夜(5千円/回)、深夜(6千円/回)ともに10回ずつシフトが組まれている場合、総支給額は基本給20万円+夜勤手当11万円+その他手当5万円=36万円/月、手取りですと約31万円/月くらいになります。
2交代とあまり差はなく、こちらも年収500万円前後となり高給与といえるでしょう。
非常勤2交代の場合
1回の夜勤で3万円前後が多いです。
非常勤には夜勤時間の上限はないので、回数を多くすればするほど、収入は上がります。
例えば1か月の夜勤回数が10回の場合、総支給額は30万円/月となり、そこから所得税が引かれた分が手取りになります。
ただしボーナスはないため、年収360万円前後が相場といえるでしょう。
非常勤3交代の場合
準夜1万円前後、深夜2万円前後が相場です。
そのため、月に準夜、深夜を10回ずつ勤務した場合、総支給額は30万円/月となり、そこから所得税が引かれた分が手取りになります。
こちらも2交代とそこまで差はありませんので、年収360万円前後となります。
勿論、夜勤回数を増やすほど収入は上がります。
夜勤専従と日勤の給料の差は?
ここでは常勤で日勤のみの看護師の年収が400万だと仮定してお話します。
非常勤の方は、だいたいの時給平均である1,900円をベースにして考えてみます。
常勤看護師との平均年収の“差”
日勤のみが約400万円に対し、夜勤が入ると大きく収入が上がります。
日勤+夜勤(月4回)で、約480万円、多くの看護師がこの働き方で安定した収入を得ていますよね。
夜勤専従はさらに上がり、月9回の勤務で約520万円得られます。
夜勤専従は日勤のみの常勤看護師とくらべて100万以上の多い年収を得られるということです。
非常勤の雇用形態間の“差”
非常勤は時給換算でみます。
日勤のみで1,900円、日勤+夜勤で2,000円と、他の業種より高い時給が発生しています。
これより上回るのが夜勤専従の2,500円です。
1時間あたり600円、つまり1日あたり約4,800円も多いということですね。
施設別夜勤1回あたりの“差”
様々な施設で夜勤専従の活躍の場があります。
大学病院やクリニック、療養型病院、介護施設では相場が30,000円を超える施設が多いようです。
これがたとえば精神病院ですと、26,700円と少し下がる傾向があります。
夜勤専従と言っても自分のスキルを活かせる施設ごとに収入の差があるので、参考にしてみてください。
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夜勤専従の給与面以外のメリット
夜勤専従看護師には、経験からいって以下の7つのメリットがあります。
人によってすべてが当てはまるわけではないかもしれませんが、一つずつ参考にしてみてください。
夜勤専従のメリット1.日勤ほど多忙ではない
夜間は患者さんも寝ている時間帯となるため、一般病棟の場合、観察やケアは最低限になります。
そのため夜勤だけをしていると、忙しさからくるストレスが軽減されます。
夜勤専従のメリット2.人間関係やコミュニケーションの煩わしさがない
夜間は2~4名の限られたスタッフ数での勤務体制となります。
そのため煩わしい人間関係やコミュニケーションが少なくて済み、精神的ストレスから解放されます。
夜勤専従のメリット3.委員会や係に入らなくてよい
委員会や係が活動をするのは主に日勤帯です。
したがって、夜勤専従看護師は委員会などの役割を与えられることはなく、委員会や係の業務に追われることもなくなります。
夜勤専従のメリット4.経験を活かせる
夜間はスタッフ数が少ないため、忙しくなった時に一人ひとりが無駄なく働けることが求められます。
そのため、夜勤専従看護師はある程度の経験が必要であり、即戦力と柔軟性を求められます。
経験者にとってはこれまでの経験を活かすことができ、やりがいを感じられます。
夜勤専従のメリット5.生活リズムが崩れにくい
日勤と夜勤のミックスシフトは生活リズムを崩す原因となります。
夜勤だけのシフトになるということは、言い換えると夜型の生活に慣れれば規則的な生活になります。
夜勤専従のメリット6.日中に好きなことができる
日中の空いた時間を利用して、家事や子育て、勉強、介護などをすることができるため、自分の生活スタイルに合わせて時間を有効活用できる点は魅力です。
実際、夜勤専従看護師の多くは、この点が最大のメリットだと思っています。
夜勤専従のメリット7.有難い存在と思われている
夜勤専従看護師は、日勤しかできない主婦・ママさん看護師が多い職場において、非常に有難い存在です。
夜勤専従看護師が増えると、日勤だけを希望している看護師の復職を促すことにも繋がります。
看護師の昼夜の棲み分けができるようになれば、自分の生活スタイルに合った働き方をする人も増えていくでしょう。
夜勤専従看護師になる前に注意したいこと
夜勤専従ならではのメリットがあれば夜勤専従ならではのデメリットはあります。
ここでは大きく4つ紹介しますね。
夜勤専従の求人数が少ない
夜勤専従看護師の求人数は夜勤専従以外の求人と比較すると少ないといえます。
特に常勤の夜勤専従の求人は減ってきていますので自力で探すのは難しいかもしれませんが、非常勤だと比較的求人数が多いです。
都心だと慢性期病院や高齢者施設の求人が増えてきています。
常勤・非常勤に関わらず、夜勤専従看護師になりたい場合は、まず転職サイトやコンサルタントに相談してみることをオススメします。
夜勤専従はどうしても入れ替わりが激しい
非常勤の夜勤専従看護師は入れ替わりも激しいのが現状です。
都会では夜勤専従看護師の求人が増えてきていますが、バイトや派遣として求人を行っているため入職してみて職場が自分に合ってなければあっさり辞めることができ、次の職場も見つかりやすいという点は良いといえます。
一方で数年は続けようと思っている人や常勤の同僚は、なかなかスタッフが安定しないことに頭を悩ませることもあります。
日中を無駄に過ごしてしまうことも多い
夜勤専従は日中の空いた時間を自由に過ごせる時間が24時間以上まとまって確保できますが、実際は夜勤前後に寝てしまうことも多いです。
また、空いた時間に勉強をしようと思っていても都心だと誘惑も多く、遊んで一日が終わるということもあります。
個人的な目標がある場合は、モチベーションを維持することが大事になってきます。
夜勤専従だと訳アリと思われてしまいがち
周囲からみると、夜勤専従看護師には「日勤ができない事情がある」というふうに捉えられてしまいます。
そのため、個人的事情を詮索(せんさく)される場合もあります。
しかし、夜間帯はスタッフ数も少なく人間関係がそこまで煩わしくないため、詮索されても適当に流してしまえばいいのです。←
夜勤専従看護師に必要な条件(技術・経験)とは?
夜勤専従がいかにワークライフバランスをとれるか、を中心に紹介しましたが、その働き方を違う視点でも見てみましょう。
経験が浅いことが浮き彫りになる
経験が浅いと緊急の対応ができないので“仕事のできない看護師”として雇用継続してくれない可能性があります。
また、まだ夜勤経験浅い看護師さんでは夜勤自体に恐怖を覚えるので仕事になりません。
自分のスキルをよく理解しておき、どのような仕事が求められるのか(CPR・DNRが起きる割合、不穏患者の割合などの実情)きちんと面接などで情報収集することが必要です。
夜勤専従看護師の意外とハードな仕事量
働く時間帯を固められるのはメリットとして説明済みですが、それは反面で、長時間労働による過労を引き起こす可能性が大きいという意味です。
タフな心と体をもってしても、いつかはガタがくる可能性も考えて、高給につられず、入院患者・入所者の年齢層、人数、疾患の種類を把握し選ぶのが得策でしょう。
夜勤専従看護師は自己判断への責任・負担が大きい
すでに経験を積んでいる看護師が夜勤専従として働く場合が多いので、各々の判断や方法に任せがちな業務内容であることがあり得ます。
それは自分のペースで仕事をできる反面、職場のルールを自分で把握しにいかないと、わからないことが多いということでもあります。
しかし、マニュアル化がされていないと、教えてくれる人ごとに違うことがあります。
また、多くの知らないことを抱えて不安なまま仕事をする、という夜勤の責任に不要な負担が上乗せされます。
そうした負担が少なくなるよう、マニュアルが整っていて、事前に職場のルールを把握できるところを選ぶことが必要です。
ただ、こういったことを事前に知るには、個人ベースでの転職活動や面接時の質問ではなかなか追求できないところですよね。面接官の言うことが事実かどうかは確認できません。
そういった場合は、転職サイトを利用し、コンサルタントに質問を代行してもらうとかなり情報収集できます。
たとえばコンサルタントの人脈は、過去に夜勤専従の仕事を紹介した看護師からのフィードバックを参考に実情を知ることができるため、面接官に質問するよりリアルな情報を得ることができます。
実際にそれを体験した看護師の話も紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
すこし話がそれましたが、以上のように、夜勤専従の過酷な働き方も承知しておくことは必要です。
ライフスタイルや性格に合っているのかを熟慮し、無茶な働き方を強いられない施設を吟味することで、デメリットな面を乗り越えられる情報は大切にしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまでのお話を一覧表にしてみましょう。
夜勤専従看護師のメリット・デメリットまとめ
常勤の夜勤専従 | 非常勤の夜勤専従 |
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メリット | メリット |
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デメリット | デメリット |
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常勤の夜勤専従の場合は単純に夜勤回数が多いので高給与になりますし、非常勤の場合でも、夜勤回数を増やせば増やすほど高給与になります。
また、給与面だけではなく、その他にも様々なメリットがあります。
特に、「自分の生活スタイルに合わせて仕事をしたい」等の思いを抱いている場合は、夜勤専従看護師として働く方が合っているかもしれません。
夜勤専従の求人を探してみたいという方は、是非、転職サイトやコンサルタントに相談してみることをオススメします。
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