みなさんは、ツアーナースというお仕事にどのようなイメージを持っていますか?
- 『旅行の付き添いの仕事って楽しそう!』
- 『旅行好きの私なら向いているのかな?』
- 『病院とは何が違うの?』
- 『どうやてなるんだろう』
など、聞いてみたいこともいろいろあるのではないでしょうか。
そこで今回は、ツアーナースとしてお仕事をした経験のある私が、仕事内容やなり方、やりがいや大変さなどを体験談を交えて紹介していきたいと思います。
ツアーナースという働き方に興味のある方に、ぜひ最後まで読んで参考にしていただきたいと思います。
ツアーナースってなんだろう?
ツアーナースとは旅行添乗看護師のことで、付き添い看護師や、アテンダントナースと呼ばれることもあります。
主に旅行や合宿などのイベントに同行して、滞在中の健康管理や応急処置などを行います。
混同されがちですが、看護師の少ない地域に行き期限付きで働く『トラベルナース』とは全く違うものです。
ツアーナースになる前に知っておくべき事
それでは次に、ツアーナースになる前に知っておくべきこととして、必要なスキルと大変なポイントとやりがいについて解説します。
ツアーナースに必要なスキルは?

臨床経験は重要です!
ツアー旅行や合宿などの滞在中は、発熱や怪我も多く、応急手当の心得が必要となります。
また、基本的には看護師一人体制での同行となりますので、持病がある参加者の体調悪化時など、幅広い知識での判断・対応力も求められます。
マニュアルの決まっている団体もありますが、通常は病院へ受診するかどうかの判断も委ねられることが多く、リスクアセスメントの能力も必要です。
看護師専門の派遣会社によっては、募集要項に『臨床経験3年以上』を条件にしている会社もありますし、案件によっては、臨床経験年数を聞かれることもあります。
ツアーナースは旅行好きでも体力的に大変!

楽しんでる自分
ツアーナースは旅行や観光が好きな方にとっては、楽しくお仕事をすることができるでしょう。
色々な観光地へ行くことができ、指定待機場所が特に定められていないときは、観光をしながら連絡を待つこともあります。
各地で色々な食事をしますし、温泉旅館などで宿泊し、温泉に入浴することもあります。
ただ、体力に自信のない方にとっては、ツアー行程・同行中の疲労により、大変な一面があります。
夜中や早朝でも、体調不良者や怪我が発生することがありますので、比較的体力のある方に向いているのです。
こうした夜中の対応をしてあまり眠れていないときでも、旅行行程通り早朝からの起床・準備となりますし、一日中寝不足のまま待機や対応を繰り返します。
体力的に厳しい中でも、プロとしてお客様と接し、適切・円滑なコミュニケーションをはかっていく必要があります。
でもやりがいも大きいツアーナース

気さくに話せる人◎
求められるスキルは多いものの、病院看護師とは全く異なるやりがいもあります。
同行している利用客の方から声をかけられたり、時には一緒に観光することもあります。
仕事中ですので節度をわきまえてのことですが、旅行や観光地巡り、各地域のグルメ巡りなどが好きな看護師にとっては充実した仕事となるでしょう。
仕事終了の際に、「安心して旅行ができた」「あなたが同行してくれて良かった」などの言葉をかけられたり、集合写真や記念撮影をした写真・お手紙などを、後日会社を通して送ってくれることもあります。
ツアーナースとしてのやりがいを感じる瞬間となるでしょう。
そんなツアーナースとして働くためには?
まずは派遣会社や転職サイトへの登録
ツアーナースという特殊な資格があるわけではありません。
登録した派遣会社や転職サイトへ登録して、お仕事を受けることになります。
一つの看護師専門派遣会社では仕事の件数が足りず、いくつかの派遣会社や看護師転職サイトへ会員登録をしておく看護師もいます。
早い者勝ち!ツアーナースにエントリー
ツアーナースのお仕事案件を受けるためには、登録した会社から『個別に依頼が来る』または『提示された案件にエントリー』するという方法が主になります。
地域性やお客様からの要望に合わせて、登録会社から個別に依頼が来た場合には、受けるか受けないかこちらが決めることになります。
一方、登録会社のサイトや、転職会社の単発アルバイト情報に提示される案件からお仕事を選ぶときには、締め切り内にエントリーしておき、選考されるとお仕事決定となります。
適宜更新される案件情報を、こまめにチェックしてエントリーしていく必要があり、人気のある案件にはエントリーが集中して、早めに締め切りとなることもありますので、早い者勝ちの要素もあります。
締め切り内にエントリーすることができた案件でも、他の看護師に決まってしまうこともあるのです。
1つの仕事の流れとしては、
派遣・転職会社への登録(最初だけ)→お仕事案件へエントリーまたは紹介→当日業務→派遣・転職会社への報告
となります。
なお、MCナースネットでは、登録なしでどういった案件があるかを確認できますので、興味がある方は見てみてはいかがでしょうか?
ツアーナースの旅行当日業務

いざ、京都へ!
こうして仕事が確定しましたら、いよいよ旅行に!いやいや、お仕事開始です。
簡単にいうと、こういった流れになります。
- 旅行当日、空港や駅などの指定場所で合流し〈仕事開始〉
- 旅行行程により、観光中やイベント中などは指定場所で待機
- 宿泊先では指定の部屋か、宿泊する自室での待機
- 同行期間を通して、病気や怪我への対応
- 再び空港や駅などの指定場所で見送り〈仕事終了〉
- 仕事をエントリーした派遣会社や転職サイトへ、報告書の提出など
ツアーナースにはコミュニケーション能力が一番大事
病院とは違うコミュニケーション場面があると先程言いました。仕事は同行前から始まります。
事前に利用客の代表の方、また旅行会社の添乗員の方と連絡を取り、打ち合わせや情報共有などを行います。
同行期間中も、同行の人々と適宜コミュニケーションをとり、安全な旅行行程となるよう努めるのです。
また、利用者側の養護教諭(保健の先生)等と、相談をしながら一緒に仕事をすることもありますし、食事は利用者の方たちと同じ場所で、同じものをいただくことが基本となりますので、常に『お客様』と共にあり、コミュニケーションをはかっていく環境となります。
そのため、円滑に業務を進めていくためには、コミュニケーション能力は必須です。
社会人マナーや接遇を見られている

社会人のコスプレをするナース
コミュニケーションの一環として、接遇のスキルも大切です。
旅行添乗員の方や旅行客、修学旅行生や教職員の方々など、自分以外の人たちはみな、基本的に『お客様』となります。
これらの『お客様』は、派遣会社にとってのお客様であるため、派遣されている看護師もそのことをふまえた行動が必要です。
病院看護師にももちろん、それならではの接遇はありますが、病院外で働くツアーナースでは、それとは違った接遇が求められるということです。
例えば、挨拶・礼の角度や名刺の渡し方、コートの着脱のタイミングなど、病院看護師をしている間にはあまり触れることのなかった、社会人としてのビジネスマナーなどが求められるのです。
まとめ
旅行や合宿などに同行し、滞在中の健康管理や病気・怪我への対応をするツアーナース。
働き方のメリットとしては、日時や滞在先など、自分の都合に合った仕事を選ぶことができる自由があることです。
しかし、正社員や契約社員ではなく、また仕事をしたい時に必ず案件があるわけではないので、収入の安定性が無いことがデメリットとなります。
看護師専門の派遣会社や看護師転職サイトに登録し、案件へエントリーすることで仕事ができるようになりますが、派遣や単発のアルバイトであることがほとんどのため、安定した収入は望めません。
コミュニケーション能力や接遇のスキルが必要となりますが、観光地を巡ったり、『お客様』に感謝してもらえるツアーナースは大変やりがいのある仕事といえるでしょう。
ただ円滑なコミュニケーションができない方や、接遇の身についていない方、体力に自信のない方は向いていないかもしれません。
これらのスキルが身について、看護師一人での判断能力のある方、体力のある方には向いているでしょう。
加えて、応急手当の知識技術、知識・経験に基づいた判断能力のある方もスキルを活かすことができるでしょう。
病院以外の職場で働きたい方、興味がある方は、ツアーナースという働き方について検討してみてはいかがでしょうか。
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