突然ですが、あなたは今の仕事に満足していますか?あなたは今の職場に満足していますか?
自信をもって首を縦に振れなかったあなた、心のどこかで転職したいな~といった考えがよぎった経験がお有りなのではないでしょうか。
特に新卒、新人看護師さんは、やっと念願の看護師として働き始めたのに、自分が思っていた世界とはなんか違う、違う病院で働いている友達は自分よりも楽しそう、そんな風に思っていませんか?
実際、看護師の離職率・転職率は他職種とは比べ物にならないほど高いです。
なぜ看護師はそこまで転職率が高いのでしょうか?なぜ、看護師のみんなは転職したいと思ってしまうのでしょうか?
新人看護師の転職事情について今から詳しく見ていきましょう。
新人看護師、どうしてこんなに辛いの?!
新人看護師というのは誰もが通る、とても険しくて辛い道です。
社会人という初めての環境に飛び込み、初めての仕事、初めての上司、自分の周りの全てが初めてだらけです。
最初の頃は何もかも分からないので、とにかく先輩の後ろを密かについて回って、ひらすらメモをとりまくり、家に帰ってメモを見ながら復習します。
看護師としての知識も、国家試験で得た知識だけでは到底足らないので、自分で本屋に足を運び、大量の本を買って夜寝る前に勉強します。
これからお世話になる先輩やドクターの名前を必死に覚え、歓迎会などの飲み会には積極的に参加することとなります。
…ここまでは一般の会社員の新人とさほど変わりません。
しかし、看護師には他の会社員と異なる点が大きく分けて3つあります。
新人看護師は一般の社会人とはこう違ってこう辛い!

気も体力も頭も使う・・・
1つ目は、ほとんどが過酷な現場仕事であることです。
一日中立ちっぱなしで患者様の看護を行い、一つのミスが患者の命の危険にさらされるという現実を目の当たりにします。
2つ目は、夜勤日勤がある不規則なシフトであることです。
学生時代も何度か徹夜はした経験があると思いますが、仕事での徹夜は少し違います。
眠くてもパソコンと向き合ってカルテを書いたり、患者様の身の回りのお世話などをしなくてはなりません。
眠くてボーっとするからといって採血や注射をミスすることも当然許されません。
夜勤明けの日勤なんて法的に許されるの!?と思うこともあるでしょう。

女性社会特有のアレ
3つ目は、周りのスタッフがほとんど女性であることです。
女性が多く集まると、やはり陰口などが気になりますよね。
休憩室で先輩達が何か言っているけど、もしかして私のこと・・・?そんなことを考えるだけでドッと疲れてしまいます。
女性の多い過酷な現場で働くという特殊な環境が、新人看護師を退職へと追いやる原因となります。
看護師として働き始めたものの、やっぱり私にこの道は合わない、と思い立ち、全く違う職種に転職した友達もいます。
では、なぜ看護師はそこまで転職したいと思ってしまうのでしょうか。
気付けば口癖は「辞めたい」「転職したい」

目指せ一人前看護師!
スーツに身をまとい、キラキラした目で出席した入職式。
ナース服に腕を通し、同期と頑張って過ごした数日間の研修期間。
そして、部署への配属、挨拶、実勤務。
いつからそう思うようになってしまったのか、気付けば「辞めたい。」「転職したい。」「クリニックで働きたい。」が口癖に。
家に帰ってネットで「看護師 転職」と検索すると山ほど出てくる看護師転職サイト。
登録してみるとすぐに担当の人から電話がかかってきて、「今すぐ転職をお考えですか?!」と半ば興奮気味に話しかけられる。
「そんな風に言われると、今すぐってわけでもなくて・・・とりあえず、他に良いところないかなって思っただけなんです。」
と返事をして電話を切ってふと我に返る。
・・・実はこれは数年前の私の姿です。

…と思ってたけど今の職場なんか合わない、転職しよかな?
正直、看護師の求人は他職種とは比べ物にならないほど多く、転職したいと思えばいつでもどこでも採用してもらえるのが現実です。
ただ、そういう状況こそが「もし嫌になったらここを辞めることだってできるんだ。私はほかの所でも働ける。」という思考につながってしまいます。
公務員や一般の企業に勤めるOLは、一度その仕事を辞めてしまうと再び厳しい就職活動が始まります。
全く業種の違う職場への転職ともなれば、全て一からのスタートとなります。
一方、看護師は基本的な看護業務はどこでも同じであり、万が一辞めてもどこかで働けるという気持ちがあるため、離職者が多いです。
そこで思い切って辞めてしまうか、もう少し耐えてこのまま頑張ってみようと思うのか、そこが人生の分かれ道です。
実際に今辞めるとどうなる?良い転職先は見つかるの?
それでは、実際に今の職場を退職して違う職場に転職するとします。
新人看護師がクリニックへの転職は可能?
大きな病院がしんどかったので、比較的楽そうなクリニックに転職したいと考えるかもしれませんが、クリニックでほぼ新卒の看護師を採用しているところはほとんどありません。
なぜなら、クリニックは育成に力を入れておらず、即戦力を必要としているからです。
大きなクリニックなら新人研修を行っているところもありますが、基本クリニックでの看護師はそもそもの人数が少ないことが多いで、全くの新人の指導までする人数や余裕がありません。
その上、注射や採血などの看護師特有の手技がすぐに必要となるため、そういった手技をしっかりと確立した前提での採用となります。
そういった点からも、新人の時点でクリニックへの転職はほぼ不可能と考えた方が良いでしょう。
新人看護師の病院への転職は?
では、大きな病院から大きな病院への転職をするとします。
その場合、中途採用であっても新人研修に混ざることが多いです。
私が新人の頃、違う病院に就職した大学時代の友達が、私の勤めている病院へ秋に転職してきました。
その友達は私たちと同じ新人のカリキュラムをこなすこととなりました。
しかし、病院では独自の新人カリキュラムを採用していることが多いため、秋からでは春と夏に受けるべき研修を受けることができていない状況になります。
その友人は2年目になっても、新人に混じって受けるべき研修を受けていました。
すぐに人となじめる人や、後輩と混ざって研修を受けることに抵抗の感じない人であれば問題ありません。
しかし、やはり半年間で同期の絆はすでにできあがっていますし、その中に飛び込んで新たな病院のシステムに順応していくのは大変だったと思います。
正直言って、新人の時期を耐えることも辛いし、転職した後の新しい環境に順応していくことも辛いです。
そして何より、転職というのは人間にとってかなりのストレスを与えるものです。
「やっと転職できる。」と幸せな気持ちもあるかもしれませんが、実際心の中は「いい所がなかったらどうしよう。」「何で私がこんなしんどい目に合わなくちゃいけないの。」「早く違う所を見つけて一日でも早く転職しなくちゃ。」など、モヤモヤした気持ちでいっぱいです。
辛いのはみんな一緒!新人看護師は辛いんです!
冒頭にも述べましたが、新人看護師は本当に辛いです。
私も同期と何度「早く辞めたいね。いつ辞める予定?」と一緒に愚痴をこぼしていたか分かりません。
そして、当時の状況が嫌すぎて、もはや辞めたいとしか思えなくなって、何度も看護師求人サイトを開いては、「ここの病院いいな~転職したいな~」とサイトを眺めていました。
しかし、今になって思えば、新人看護師が辛いという状況はどこの病院に就職していても同じだったろうなと感じています。
なぜなら、「ここの病院のここが悪い、ここが嫌だ。」と、辞めたいと思う明確な理由が当時はなかったからです。
ただひたすら、新人看護師という辛い状況から逃れるための転職を考えていました。
そして、違う病院に勤める友達の良い話を聞くたびに、私もそっちの病院に転職したいな~と思っていました。
当時は青く見えていた隣の病院の芝、実はそうでもない?
「隣の芝は青く見える」という言葉がありますね。
まさに当時の私はそんな状況だったと思います。
しかし、本気で転職考えている人もいると思います。
その場合は、一度その病院やクリニックに足を踏み入れて雰囲気を体感することが必要です。
まとめ
今の記事を読んでみて、あなたの辞めたい、転職したいという気持ちはどうなりましたか?
新人看護師のうちはどこにいっても辛いという、少し悲しい現実の話をさせていただきました。
しかし逆に考えると、新人看護師というのはみんなしんどいということです。
今、立派に看護をしている先輩たちも、みんな新人看護師の時期を乗り越えて今があります。
要するに、素敵な看護師になるためには、新人看護師という試練と闘わなくてはならないのです。
そして、周りの同期もみんな同じように闘い、苦しみもがいているのです。
もし今転職を考えているとしたら、もう少しだけ今の職場で粘ってみて、一通りの知識や技術をしっかり習得することをオススメします。
しかし、いじめやパワハラなど、どうしても耐えられない苦痛があるといった場合は、無理をしないようにしましょうね。
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